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環境配慮設計と3R、5Rとの関係とは?環境配慮設計が求められる背景から今後の動向まで一挙解説!
作成日:2022年2月25日 更新日: 2024年5月20日
「環境配慮設計」という言葉を聞いたことはありますか?「エコ・デザイン」等の呼ばれ方で聞いたことがある人もいるもかもしれません。
近年、SDGs等への意識の高まりと同時に、環境配慮設計が求められる事例も増えています。本記事では環境配慮設計が求められるようになった背景kから実践例についてまで解説します。
ス ポ ン サ ー リ ン ク
環境配慮設計とは?
環境配慮設計とは、「原材料・部品調達から生産、輸送・販売、使用、リユース・リサイクル、廃棄など、製品のライフサイクル全般にわたって、環境への影響を考慮した設計」のことを言います。
DfE(Design for Environment)、環境適合設計、エコ・デザインなどと呼ばれることもあります。
3R(スリーアール)と5R(ファイブアール)
Reduce(リデュース)、Reuse(リユース)、Recycle(リサイクル)をまとめて「3R(スリーアール)」と呼びますが、そこにRefuse(リフューズ)、Repair(リペア)の2つを加えたものが「5R(ファイブアール)」です。
- Reduce(リデュース)とは、ごみの発生を少なくすること。
- Reuse(リユース)とは、ものを繰り返し長く使い、ごみを減らすこと。
- Recycle(リサイクル)とは、ごみを再び原材料に戻したり、エネルギーとして有効に活用したりすること。
- Refuse(リフューズ)とは、ごみの元になるものを買ったり貰ったりせず、ごみを減らすこと。
- Repair(リペア)は、ものが壊れた時に修理して、できるだけ長く使うこと。
環境配慮設計が求められる背景
経済の成長が優先され公害が多かった時代では、工場からの排水や排気ガスによる水質、大気、土壌等の汚染に対し、工場等の排出口での汚染物質の排出基準を設けるなどの、製造工程の末端での対策「エンドオブパイプ(End of Pipe)」が行われていました。
しかし、1990年代になって、廃棄物発生量の増大や地球環境全体が問題視され、1992年の地球サミットで採択されたアジェンダ21にて、生産工程の上流から対策を講じようという考え方が広まりました。その結果、環境配慮設計では、環境配慮の対象を製造段階だけでなく、消費やリユース、リサイクル、さらには最終処分の段階までを含め取り組むことが求められるようになりました。
2000年代になると、「循環型社会形成推進基本法」(平成13年1月施行)において循環型社会および低炭素社会への転換が必要とされ、設計段階から製品のライフサイクル全体での環境負荷を削減するための設計
が求められるようになりました。
また、国際的にも国際標準化機構(ISO)が、経済活動での環境配慮に関して定める規格シリーズ(ISO14000番台)の中に、環境適合設計(DfE:Design for Environment)を加え、製品設計段階からの環境配慮の普及を促進しています。
さらに、2004年には環境マネジメントシステム(ISO14001)が改訂され、規格の取得者(製造事業者等)が直接管理できなくても影響を及ぼすことができる環境側面(使用時、廃棄時等)もマネジメントの対象となり、製品のライフサイクルやサプライチェーンの管理が求められるようになるなど、環境配慮設計の重要性が増してます。
製品アセスメントとは
製品アセスメントとは、製品の設計段階で実施する、環境配慮設計による環境負荷低減の内容を確認(チェック)し、その改善度を評価する手法であり、環境負荷の低減を行うことを目的としています。
家電業界の製品アセスメントの評価項目は、15の大項目と、それぞれさらに細かく分類した50の小項目で構成され、環境や資源の有効利用のための包括的な配慮が可能な体系として整備されています。
製品のライフサイクル
製品のライフサイクルとは、「原材料・部品調達から生産、輸送・販売、使用、リユース・リサイクル、廃棄など」、製品が産まれてから廃棄されるまでの流れのことを指します。
有害物質の使用制限
有害物質の使用には「含有量規制と総含有量規制と濃度規制」があります。
CMR物質「人の健康に影響を及ぼす物質」
PBT物質「難分解性や生物備蓄性と有毒性のある物質」
・RoHS指令 / REACH指令(ヨーロッパ)
規制物質は「鉛・カドミウム・水銀・六価クロムなど」
・TSCA(アメリカ)
有害物質規制法:難分解性と生物蓄積性と毒性化学物質などPBT物質に関する規制
・PFOA規制
有機フッ素化合物に対する規制。
環境配慮設計の実践例
環境配慮設計の実践例として、例えば自動車においては、使用済み自動車のリサイクル、部品の再利用を考え、設計段階においてリサイクルのしやすい材料や構造を選択するなど、3Rを配慮した設計を行うとともに、部品の締結点数の削減、車両への取り付け点数を減らすなどの工夫が行なわれています。
バンパー、内装トリム、外装トリム等にリサイクルしやすい材料を使用するとともに、解体しやすい構造とするなど、ボディの解体性向上に配慮した設計が実践されています。
環境配慮設計の動向と今後の見通し
国立環境研究所の研究「家電リサイクル法の実態効力の評価」により、(財)家電製品協会の「製品アセスメント事例集」に掲載された環境配慮設計(DfE)の事例が整理されています。
省エネや安全性に係る配慮事例が多く、2000年以降、減量化、再資源・再生部品の利用、分離・分別の容易化といったリサイクルに関する配慮も進んでいます。
今後は、環境配慮設計の進展による効果を評価するとともに、それをさらなる環境配慮設計に反映させるサイクルを構築することが重要になります。
まとめ
本記事では、環境配慮設計が求められるようになった背景や流れ、製品アセスメント、3Rとの関連性等について見てきました。
OUTSENSEでは、「折りたたむ」ことにより繰り返し使える展示ディスプレイや、「折りたたむ」ことによる部品点数の削減等、「折り工学」を活用した環境配慮設計をご提案することが可能です。ぜひ一度お問い合わせください。
ス ポ ン サ ー リ ン ク
こ の 記 事 を 書 い た 人
株式会社OUTSENSE(あうとせんす)
株式会社OUTSENSEは、「折り工学」を専門とした設計会社です。折りによるデザイン性のや機能性の付与を通して、新規事業開発や製品課題解決をいたします。
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株式会社OUTSENSEは、「折り工学」を専門とした設計会社です。折りによるデザイン性や機能性の付与を通して、新規事業開発や製品課題解決をいたします。本ブログでは、「折り工学」や研究開発、環境技術について発信しています。
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