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CSRの重要性とは?ISO26000やSDGsとの違いをわかりやすく解説

作成日:2022年8月13日 更新日: 2024年12月16日

近年、企業活動における「CSR」の重要性が高まっています。

企業が利益を追求するだけでなく、社会や環境に配慮した行動を取るべきだという考え方です。これは、地球温暖化や貧困問題といった世界的な課題が深刻化する中で、消費者や投資家が企業の取り組みを厳しく評価するようになったことに起因しています。

本記事では、CSRの基本的な考え方やISO26000・SDGsとの違い、企業がCSRに取り組むメリット・デメリットを詳しく解説します。また、最新の事例やトレンドも取り上げながら、これからの企業経営におけるCSRの役割について考えていきます。CSRへの理解を深め、実践につなげるヒントをお届けします。

ス ポ ン サ ー リ ン ク

目次

CSR(企業の社会的責任)とは?

CSRとは、「Corporate Social Responsibility」の略で、企業が利益を追求するだけでなく、社会や環境に対して責任ある行動を取ることを指します。

具体的には、環境保全活動や労働環境の改善、地域社会への貢献など、さまざまな取り組みが含まれます。
CSRは企業の信頼性を高める重要な要素であり、消費者や投資家にとって企業価値を評価する基準の一つとなっています。

CSRが求められる背景

CSRが重視される背景には、グローバルな課題の増加があります。気候変動や貧困問題など、解決すべき社会的課題が山積する中、企業もその解決に積極的に関与することが求められています。 例えば、消費者は環境に優しい製品を選ぶ傾向が強まっており、投資家もESG(環境・社会・ガバナンス)を重視した投資を行うようになっています。

CSRと関連する概念の違い

CCSRに関連する重要な概念には、サステナビリティ、SDGs、CSVがあります。

これらの違いを明確に理解することで、CSRの意義をより深く知ることができます

1.サステナビリティとの違い

「サステナビリティ(sustainability)」とは、「持続可能性」を意味する言葉です。地球環境と人間社会が良好な関係を保ちながら共存し、発展し続けていこうとする考え方のことです。
サステナビリティとCSRは「よりよい社会を目指す」という意味で方向性は同じですが、サステナビリティは企業だけでなく、国や個人など社会全体が対象で、CSRはあくまでも企業の事業活動に限られます。
このように対象範囲は異なりますが、企業がCSRを意識した経営活動をすることで、結果的にサステナビリティの向上にもつながるのです。

2.SDGsとの違い

貧困や気候変動など世界が直面する課題解決のため、2015年に国連総会で採択された、17の「持続可能な開発目標」のことです。 「SDGs」は「サステナビリティ」と同様、持続可能な社会を目指しているものですが、「SDGs」は2030年が期限の目標であるのに対し、サステナビリティは期限を設けていない長期的なものです。 「SDGs」も社会全体が対象の目標で、その点で、一つ一つの企業が対象の「CSR」と異なります。

3.CSVとの違い

Creating Shared Valueの略語で、「共有価値の創造」と訳されます。
企業の事業活動の中で社会的な課題を解決することで、社会価値と企業価値を両立させようとするのが基本的な考え方です。
「CSR」は社会貢献の意味合いが強く、事業活動とは無関係の奉仕活動なども含まれますが、CSVは企業戦略の一環として社会への貢献活動を行うため、活動内容は事業と関係があるものになります。

ISO26000とは?

ISO26000は、ISO(国際標準化機構)が2010年11月1日に発行した、組織の社会的責任に関する国際規格です。

この基準は、企業が社会的責任を果たすための7つのコアテーマを提唱しています。

  1. 組織統治
  2. 人権
  3. 労働慣行
  4. 環境
  5. 公正な事業慣行
  6. 消費者課題
  7. コミュニティへの参画と開発

 

ISO26000が生まれた当時、CSRの重要性が世界中で高まり、多種多様な行動規範やガイドラインが次々と作られていくなか、国際的な統一基準が求められるようになりました。

そこでISOがCSR規格の開発に着手し、検討と議論を重ねた結果、あらゆる組織に向けて開発された社会的責任に関するガイダンス文書を完成させました。これがISO26000なのです。

したがって、ISO26000は企業がCSRに取り組むときの参考書であると言えます。

企業がCSRに取り組むメリットとデメリット

メリット

  • ブランドイメージ向上: 社会的責任を果たすことで信頼性が高まります。
  • 従業員の士気向上: CSR活動に参加することで従業員の満足度が上がります。

デメリット

  • コスト増加: 環境対策や地域支援には費用がかかります。
  • 専門知識の必要性: CSRの効果的な推進には専門人材が求められます。

東京商工会議所のアンケートでは、中小企業の51.8%と大企業の48.6%がCSRのデメリットとして「人手の不足」を挙げており、先程の「コストの増加」の次に多い結果となっています。

CSR活動への取り組みには人手が不可欠であるため、その分だけ本業に投入できる人手が減ってしまいます。

人材の数に余裕がない企業の場合は、人材不足から本業が疎かになりかねません。

長期的に見ればメリットの多いCSRですが、長期的に取り組める体力のない企業にとっては難しい判断になります。

最新のCSR動向と注目事例

注目のCSR事例

  • ユニクロ: 古着回収プロジェクトでリサイクルを促進。
  • トヨタ: 環境に優しい車の開発で業界をリード。

最近のトレンド

  • ESG投資の増加: 企業のCSR活動が投資判断の重要な基準に。
  • 再生可能エネルギーの普及: 太陽光発電や風力発電を活用する企業が増加。

CSR活動を成功させるためのポイント

  1. 明確な目標設定: 短期目標と長期目標を分けて計画を立てます。
  2. 全社的な取り組み: 従業員全員が参加できる仕組みを構築します。
  3. ステークホルダーとの連携: 地域社会やNGOと協力することが効果的です。

まとめ

ユニクロやトヨタをはじめ、さまざまな企業がCSR活動を積極的に展開し、社会課題の解決に寄与しています。

また、ESG投資や再生可能エネルギーの普及といったトレンドは、CSR活動の新たな方向性を示しています。

こうした動向を踏まえ、企業は社会や環境に対する責任を果たしつつ、持続可能な成長を目指すことが求められています。

OUTSENSEでも環境を考えた製品開発を行っております。
お気軽にお問合せください。

 

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株式会社OUTSENSEは、「折り工学」を専門とした設計会社です。折りによるデザイン性のや機能性の付与を通して、新規事業開発や製品課題解決をいたします。

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株式会社OUTSENSEは、「折り工学」を専門とした設計会社です。折りによるデザイン性や機能性の付与を通して、新規事業開発や製品課題解決をいたします。本ブログでは、「折り工学」や研究開発、環境技術について発信しています。

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