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【研究開発に革命を起こすシステムズエンジニアリング】MBSE・AIとの融合で見える未来像…

作成日:2024年6月13日 更新日: 2025年3月27日

システムズエンジニアリングは、複雑なシステムの計画、設計、開発、運用、保守を統合的に行う手法として、航空宇宙や自動車産業などで広く採用されています。

​近年では、製品やシステムの大規模化・複雑化に伴い、他の産業分野でもその重要性が増しています。

本記事では、システムズエンジニアリングの基本概念、研究開発における役割、最新の事例、研究開発プロセスの最適化、そして未来展望について解説します。​

ス ポ ン サ ー リ ン ク

目次

システムズエンジニアリングの基本概念

システムズエンジニアリングとは?

システムズエンジニアリングは、複数の専門分野を統合し、システム全体を成功に導くためのアプローチと手段です。

​技術的要素だけでなく、プロジェクト管理や運用管理など、多岐にわたる要素を統合的に扱う点が特徴です。​

この手法は、宇宙・航空分野を中心に発展し、欧米では一般的な製品やシステムへの適用が進んでいます。(J-STAGE)(JRI

研究開発におけるシステムズエンジニアリングの役割

研究開発の現場では、システムズエンジニアリングが重要な役割を果たします。​ 新しい技術や製品の開発において、初期段階からシステム全体を俯瞰し、各要素が連携して機能するように設計することで、効率的かつ効果的な開発プロセスを実現します。 ​例えば、鉄道・列車制御システムの更新において、システムズエンジニアリングの適用により、サービスの継続性と安全性が向上した事例があります。(​IPA

モデルベースシステムズエンジニアリング(MBSE)の導入

MBSEの基本原理

モデルベースシステムズエンジニアリング(MBSE)は、システムの設計や開発をモデルを中心に行う手法です。​MBSEの導入により、システムの複雑性を視覚化し、設計プロセスを効率化することができます。 ​具体的には、システムモデルを作成し、これを活用することで、システム開発の効率と品質を向上させます。(event-forum.jp

研究開発におけるMBSEの利点と応用

MBSEの最大の利点は、システム全体の設計を一貫したモデルで管理できることです。​これにより、異なるチーム間でのコミュニケーションがスムーズになり、エラーや不整合を減少させることができます。​実際、航空宇宙や自動車産業などでMBSEは広く採用されています。 ​(ものづくり ワールド 2025|世界最大級の製造業の展示会)/​ (Siemens Digital Industries Software)​。

具体的な事例

トヨタ自動車と本田技研工業のMBSE活用事例

2025年2月に開催された「システムズエンジニアリング/Model-Basedシステムズエンジニアリング シンポジウム2025」では、トヨタ自動車や本田技研工業が、大規模で複雑なプロジェクトを領域横断的に全体デザインし、迅速に推進している先進モビリティ開発や宇宙システム開発の事例を紹介しました。(​プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1|PR TIMES+1製造業DXの電通総研+1

SiemensによるMBSEソリューションの適用例

Siemensは、MBSEを活用して製品の開発プロセスを最適化しています。これにより、複雑なシステムの設計と管理が効率化され、多くの産業で成果を上げています​。 (Siemens Digital Industries Software)​

研究開発プロセスの最適化

システムライフサイクル管理の重要性

システムライフサイクル管理は、システムの設計から運用、廃棄までの全ての段階を包括的に管理する手法です。

​この手法により、システム全体の効率と信頼性を高めることができます。

​例えば、製品開発プロセスにおいて、システムズエンジニアリングを適用することで、開発効率の向上やコスト削減が期待できます。 (Particleworks Product Site

効率的な研究開発のための戦略

効率的な研究開発を実現するためには、プロジェクトの初期段階からシステム全体を見通し、適切なリソース配分とスケジュール管理を行うことが重要です。​ これにより、開発期間の短縮とコスト削減が可能となります。​ また、MBSEの導入により、システムの複雑性を視覚化し、設計プロセスを効率化することができます。

未来展望: 次世代システムズエンジニアリング

AIとシステムズエンジニアリングの統合

近年、AI(人工知能)技術の進化により、システムズエンジニアリングの可能性が大きく広がっています。 AIを用いることで、膨大な設計データの解析や、シミュレーションによる最適解の導出がリアルタイムで行えるようになり、開発スピードの飛躍的な向上が期待されています。 たとえば、予知保全(予測によるメンテナンス)や自律制御システムの設計では、AIとの統合がすでに実用段階に入っており、航空宇宙・製造・エネルギー分野で次世代型システムの核となりつつあります。

未来の研究開発における新技術の影響

今後、IoT(モノのインターネット)やビッグデータ、クラウドコンピューティング、さらには量子コンピューティングといった新技術が、システムズエンジニアリングにさらなる変革をもたらします。
  • IoT によりシステムのリアルタイム監視が可能に
  • ビッグデータ によって設計と運用の意思決定が高度化
  • クラウド によるモデルやドキュメントの共有・共同作業が円滑に
  • 量子コンピュータ によって最適化処理の高速化が可能に
これらの技術が融合することで、システム全体のスマート化が進み、より信頼性が高く効率的な研究開発が可能になります。

まとめ

システムズエンジニアリングは、現代の研究開発における「要(かなめ)」とも言える存在です。特に複雑化する製品・プロジェクトにおいては、単なる技術的アプローチでは対応しきれない課題を、統合的かつ計画的に解決できる強力な武器となります。 そして、モデルベース(MBSE)やAIとの統合により、今後ますます発展が見込まれています。研究開発におけるスピード・精度・コスト最適化のためにも、今こそシステムズエンジニアリングを導入・強化することが求められています。 OUTSENSEは宇宙建築を目指している会社で、システムエンジニアリングにも精通しています。宇宙事業へ参入する会社様のお手伝いをした経験もありますので、ぜひ一度お気軽にお問い合わせください!

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株式会社OUTSENSEは、「折り工学」を専門とした設計会社です。折りによるデザイン性のや機能性の付与を通して、新規事業開発や製品課題解決をいたします。

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株式会社OUTSENSEは、「折り工学」を専門とした設計会社です。折りによるデザイン性や機能性の付与を通して、新規事業開発や製品課題解決をいたします。本ブログでは、「折り工学」や研究開発、環境技術について発信しています。

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