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【TRLとは?】研究開発に使える技術成熟度評価の基礎とその重要性
作成日:2024年6月17日 更新日: –
日本でも宇宙開発の分野や、環境優良車関連など環境省で使われている「TRL」ですが、ご存じない方も多いのではないでしょうか。さらに日本語での解説も少なく、戸惑われることがあると思います。本記事ではTRLの概要についてお伝えします。
ス ポ ン サ ー リ ン ク
目次
技術成熟度レベル (TRL) とは何か?
技術成熟度レベル(Technology Readiness Level、TRL)は、技術の成熟度を評価するための尺度です。1974年にNASAによって考案され、現在では多くの技術開発プロジェクトで利用されています。
TRAは、技術開発の進捗状況を評価し、計画に情報を提供し、潜在的なリスクを特定するために行われます。評価は、技術の進行状況を定期的に評価することで、リスクが高い段階に進む前に問題を特定するのに役立ちます。
TRLは、技術の概念段階から実運用段階までの進行状況を示すために使用され、レベル1からレベル9までの9段階で構成されています。
(NASA) (Joining Innovation with Expertise) (AcqNotes) (Wikipedia)
図出典:内閣府
TRLの各レベルの詳細
- TRL 1: 基本原則の観察と報告 – 科学的研究の初期段階で、基本的な概念や原則が観察され、報告されます。
- TRL 2: 技術概念の検証– 基本概念が実用化の可能性として認識され、初期的な検証が行われます。
- TRL 3: 概念実証 – 技術の概念実証が、分析的および実験的に行われます。
- TRL 4~6: 実験室からシミュレーション環境での検証– 技術が実験室やシミュレーション環境で検証され、システムの適合性が確認されます。
- TRL 7~9: 実際の運用環境での検証 – 技術が実際の運用環境で検証され、最終的にはミッション中に技術が証明されます(European Space Agency) (DAU)。
図出典:NASA
TRLの応用と利点
TRLは、研究開発プロジェクトの管理において重要な役割を果たします。技術の成熟度を評価することで、プロジェクトのリスクを低減し、コストを削減することができます。
また、TRLは技術移転や市場導入の際にも役立ちます。例えば、企業が新しい技術を市場に導入する前にTRLを評価することで、その技術の商業化の可能性を判断することができます (AcqNotes)。
TRLの国際的な利用と規格
TRLは、NASAだけでなく、欧州宇宙機関(ESA)や国防総省(DoD)などの他の多くの機関でも使用されています。例えば、ESAはISO 16290 TRLスケールを使用しており、技術プロジェクトを評価するための標準的な尺度として採用しています (European Space Agency) (DAU)。
まとめ
TRLは、技術の成熟度を評価するための重要なツールであり、研究開発プロジェクトの成功に不可欠です。効果的にTRLを活用することで、技術の進捗状況を適切に評価し、リスクを低減し、コストを削減することができます。技術開発の全プロセスにおいて、TRLの適用がますます重要になっています (NASA) (Joining Innovation with Expertise)。
OUTSENSEでは、「折り工学」による宇宙建築の実現を目指しており、TRLにも精通しています。宇宙事業に新規参入をご検討の際は、お気軽にお問い合わせください。
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株式会社OUTSENSE(あうとせんす)
株式会社OUTSENSEは、「折り工学」を専門とした設計会社です。折りによるデザイン性のや機能性の付与を通して、新規事業開発や製品課題解決をいたします。
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株式会社OUTSENSEは、「折り工学」を専門とした設計会社です。折りによるデザイン性や機能性の付与を通して、新規事業開発や製品課題解決をいたします。本ブログでは、「折り工学」や研究開発、環境技術について発信しています。
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