BLOG
【加工技術紹介1】初心者でもわかる!平面研削加工技術の基礎知識
作成日:2024年7月30日 更新日:2024年12月12日
金属加工や機械加工の現場では欠かせない「平面研削」。普段あまり耳にすることはないかもしれませんが、この技術は私たちが使う自動車や電子機器など、多くの製品を支えています。
今回は、平面研削加工の基本から最新技術までを丁寧に解説。初心者でも理解しやすいように、具体例を交えながら紹介します。
ス ポ ン サ ー リ ン ク
目次
平面研削とは?その基本概念と用途
平面研削とは、金属やその他の素材の表面を「研削盤」という専用機械を使って削り、平らに整える技術のことです。この技術のポイントは、高精度な平面度や表面の滑らかさを実現できる点にあります。
平面研削が活用される代表的な製品
- 自動車部品:エンジン部品やブレーキディスクの加工。
- 航空機部品:高い安全性が求められる構造部品。
- 電子機器:基板や高性能部品の製造。
このように、平面研削は精密な加工が必要な製品を支える技術で、製品の性能や寿命を左右します。
平面研削機の種類と特徴
手動平面研削機
- 特徴:操作がシンプルで、コストが低いのが特徴。特に、小型部品の加工や試作に向いています。
- メリット:少量生産や細かな調整が可能。
- 注意点:熟練者の技術が求められる場合が多い。
自動平面研削機
- 特徴:自動制御によって、作業者の負担を減らし、大量生産に最適化されています。均一な品質を保てるのが利点です。
- メリット:安定した仕上がりと効率性。
- 注意点:機械自体の導入コストが手動式に比べて高い。
CNC平面研削機
- 特徴:CNC(コンピュータ数値制御)によってプログラム通りに加工が可能。高精度かつ再現性の高い加工が求められる場合に最適。
- メリット:複雑な形状や大量生産にも対応可能。自動化が進んでいるため、精度が高い。
- 注意点:専門知識が必要で、初期導入コストが高め。
平面研削のプロセスと手順
平面研削の作業は、以下の手順で進められます。それぞれのステップに注意点があるため、初心者の方でも理解しやすいよう解説します。
- 加工対象(素材)の固定
素材を研削盤のチャックや固定具でしっかりと固定します。この作業が不十分だと加工精度が落ちるだけでなく、作業者の安全にも影響します。 - 砥石の選定と回転開始
加工に適した砥石を取り付け、適切な回転数で動作を開始。砥石の種類は後述します。 - 表面の削り出し
研削盤を操作し、砥石を素材表面に接触させます。削りすぎを防ぎながら、均一に表面を整えていきます。 - 仕上げと測定
表面の平滑度や寸法を測定し、必要に応じて微調整を行います。
使用される砥石の種類と選び方
研砥石は平面研削加工の要ともいえる重要な要素です。
それぞれの用途に適した砥石を選ぶことが、加工の仕上がりを左右します。
- 酸化アルミニウム砥石
鉄鋼や鋳鉄など、比較的一般的な金属の加工に適しています。コストパフォーマンスが高い砥石です。 - 炭化ケイ素砥石
非鉄金属やセラミックのような硬い素材に使用されます。熱を帯びやすい素材でも性能を発揮します。 - ダイヤモンド砥石
超硬合金やセラミックなどの非常に硬い素材に最適。精密加工が求められる現場で多く使われています。
写真出典:クレトイシ(株)
平面研削における安全対策と注意点
平面研削加工では、安全対策を怠ると重大な事故につながる可能性があります。
以下のポイントを徹底しましょう。
- 保護具の着用:安全メガネや手袋を着用して、目や手のケガを防止。
- 定期的なメンテナンス:砥石の損耗や機械の不具合がないか事前に点検。
- 正しい操作の習得:研削盤のマニュアルを熟読し、無理な加工を避ける。
平面研削のメリットとデメリット
メリット
- 高い平面度や滑らかさを実現。
- 金属以外の素材にも対応可能。(セラミックやプラスチックなど)
- 最新技術で効率的な生産が可能。
デメリット
- 専門知識が必要で、操作がやや難しい。
- 初期コストや砥石のランニングコストがかかる。
- 環境対策が課題になる場合も。
平面研削における最新技術とトレンド
- CNC技術の進化
従来よりもさらに高精度かつ複雑な加工が可能になり、特に航空機や医療機器の製造で活用されています。 - AIによる作業最適化
AIを活用した自動制御技術が導入され、砥石の摩耗管理や加工効率の向上を図っています。 - 環境に優しい研削液
従来の化学薬品ベースの研削液から、環境配慮型の水溶性研削液への移行が進んでいます。
まとめ
平面研削は、精密な加工が求められる多くの産業で重要な技術です。機械の選定や正しい操作、安全対策を徹底することで、高品質な仕上げを実現できます。最新の技術動向を把握し、常に最適な方法を追求していきましょう。
OUTSENSEが拠点を構える大田区では、工場見学を受け付けている企業も多くあります。ぜひ実際の機械や作業現場も見てみてくださいね。
ス ポ ン サ ー リ ン ク
こ の 記 事 を 書 い た 人
株式会社OUTSENSE(あうとせんす)
株式会社OUTSENSEは、「折り工学」を専門とした設計会社です。折りによるデザイン性のや機能性の付与を通して、新規事業開発や製品課題解決をいたします。
そ の 他 の 記 事 を 読 む
AUTHOR
株式会社OUTSENSE
(あうとせんす)
株式会社OUTSENSEは、「折り工学」を専門とした設計会社です。折りによるデザイン性や機能性の付与を通して、新規事業開発や製品課題解決をいたします。本ブログでは、「折り工学」や研究開発、環境技術について発信しています。
\OUTSENSEをフォロー/
ス ポ ン サ ー リ ン ク
そ の 他 の 記 事