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【CSRの基本と最新事例】企業がSDGsに取り組むメリットと課題を詳しく解説!
作成日:2022年8月20日 更新日: 2024年12月12日
「SDGs」という言葉は、いまや世界中で広く知られるようになり、個人や企業の活動においても重要なテーマとなっています。
一方で、「CSR」という用語も関連するトピックとして耳にすることがありますが、この二つの違いや関連性については明確に理解していない人も多いのではないでしょうか。
本記事では、SDGsとCSRの違い、それぞれが目指す方向性、企業がSDGsに取り組む際のメリットやデメリット、そして具体的な事例を詳しく解説します。
また、最新の統計やランキングも交えて、SDGsの現状について深掘りしていきます。
ス ポ ン サ ー リ ン ク
目次
SDGsとは?
SDGs(エス・ディー・ジーズ)とは、「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称で、2015年9月に国連サミットで採択された2030年までの国際目標です。主に貧困や飢餓、気候変動、ジェンダー平等といった地球規模の課題に対して、国や地域、個人が取り組むべき具体的な指針として設けられました。
この目標は、「誰一人取り残さない(Leave No One Behind)」を基本原則とし、17の大目標と169のターゲットから構成されています。持続可能な社会を実現するために、地球全体で取り組むべき具体的な課題を網羅しているのが特徴です。
SDGsの17の目標
SDGsの17の目標は以下のとおりです。
- 貧困をなくそう
- 飢餓をゼロに
- すべての人に健康と福祉を
- 質の高い教育をみんなに
- ジェンダー平等を実現しよう
- 安全な水とトイレを世界中に
- エネルギーをみんなにそしてクリーンに
- 働きがいも経済成長も
- 産業と技術革新の基盤をつくろう
- 人や国の不平等をなくそう
- 住み続けられるまちづくりを
- つくる責任つかう責任
- 気候変動に具体的な対策を
- 海の豊かさを守ろう
- 陸の豊かさも守ろう
- 平和と公正をすべての人に
- パートナーシップで目標を達成しよう
これらの目標は相互に関連しています。
例えば、「質の高い教育をみんなに」を達成すれば「貧困をなくそう」の実現に寄与する一方、「産業と技術革新の基盤をつくろう」が「気候変動への対策」に悪影響を与える可能性もあります。そのため、全体的なバランスを考えた取り組みが重要です。
SDGs達成の現状と課題
日本の取り組み状況
日本では、2016年に設置された「SDGs推進本部」を中心に、政府、地方自治体、企業が一体となって取り組みを進めています。
しかし、2023年のSDGs達成度ランキングでは、166カ国中21位と順位を落としています(前年は19位)。
特に以下の5つの目標で「深刻な課題」と評価されており、迅速な対応が求められています:
- 5. ジェンダー平等
- 12. 作る責任、使う責任
- 13. 気候変動への対策
- 14. 海の豊かさを守ろう
- 15. 陸の豊かさも守ろう
課題の背景
ジェンダー平等に関しては、女性の管理職比率が低いことや、男女間賃金格差が大きな問題となっています。
また、気候変動への対策や資源の適切な利用においては、政策の遅れが指摘されています。
引用:朝日新聞SDGsアクション https://www.asahi.com/sdgs/article/14937675
CSRとは?
CSR(Corporate Social Responsibility)とは、直訳すると「企業の社会的責任」を指しますが、単なる利益追求にとどまらず、企業がその事業活動を通じて、社会や環境に対して責任を果たすことを意味します。
CSRの取り組みは、従業員、顧客、取引先、地域社会、環境などの多様なステークホルダー(利害関係者)に配慮し、持続可能な社会の実現を目指す活動として位置付けられています。
注目されるようになった背景には、企業活動が環境や社会に与える影響が大きくなっていることがあります。
例えば、不正会計や労働環境の悪化、環境破壊などが社会問題化する中で、企業に対する信頼が揺らぐケースが増えてきました。その結果、企業が倫理的かつ持続可能な形で活動を行うことへの関心が高まりました。
また、インターネットやSNSの普及により、消費者や市民が企業の行動を評価し、情報を共有する力を持つようになったことも、企業にとってのCSRの重要性を高める要因となっています。
CSRの具体的な取り組み
CSRは以下のような活動を含むことが一般的です
- 環境保護活動
・温室効果ガスの排出削減や再生可能エネルギーの活用
・廃棄物削減、リサイクルの推進
・環境に優しい製品の開発 - 地域社会への貢献
・地域のインフラ支援や教育プログラムの提供
・被災地支援やボランティア活動への参加
・地元企業や住民との連携による経済活性化 - 労働環境の改善
・働きやすい職場環境の整備(フレックスタイム制やリモートワーク導入など)
・従業員の健康維持、増進に向けた施策
ダイバーシティ推進(多様性を尊重する雇用体制) - コンプライアンスの徹底
・法令遵守や内部統制の強化
・企業の透明性を高める情報開示
・人権保護や労働基準の遵守
SDGsとCSRの違い
CSRとSDGsは似ているように見えますが、いくつか重要な違いがあります。
- 目的のスケール
CSRは企業ごとに自主的に行う活動で、そのスコープは企業の規模や事業内容によって異なります。一方、SDGsは国連が定めた国際的な目標で、地球全体での課題解決を目指す大規模な枠組みです。 - 具体性の違い
SDGsは17の目標と169のターゲットを通じて明確な数値目標を持っています。それに対し、CSRは各企業が自社の状況に合わせて柔軟に取り組む活動で、具体的な目標や指標は必ずしも共通していません。 - アプローチの範囲
SDGsは国や地域、市民、企業が一丸となって達成を目指すもので、CSRはその一部として取り組まれる場合もあります。企業がSDGsに取り組む際には、CSR活動を通じて貢献することが一般的です。
企業がSDGsに取り組むメリット
企業がSDGsに取り組むことによるメリットは、以下のようなものが挙げられます。
・社会課題解決への貢献
・ブランドイメージの向上
・新たなビジネス機会の創出
社会課題解決への貢献
SDGsの目標達成には、政府だけでなく企業の積極的な関与が不可欠です。
企業が自社の強みを活かしてSDGsに取り組むことで、貧困や環境問題、教育の普及など、社会的な課題の解決に寄与することができます。
これは企業が社会の一員としての責任を果たすだけでなく、企業と社会が共に成長する基盤を築くことにつながります。
ブランドイメージの向上
近年、消費者や取引先は、単に製品やサービスの質だけでなく、企業の社会的責任への取り組みも評価基準としています。
SDGsへの積極的な対応は、企業の信頼性やブランド価値を高めるだけでなく、新たな顧客層の獲得や取引先の拡大にも寄与します。
特に若い世代(Z世代やミレニアル世代)は、環境や社会問題への関心が高く、こうした層に支持されることで長期的な成長が期待できます。
新たなビジネス機会の創出
SDGsの取り組みは、単なるコスト負担ではなく、企業に新たなビジネス機会を提供します。
例えば、環境に優しい製品の開発や、エネルギー効率の向上を図る技術革新は、他社との差別化を図る競争力となります。
また、自治体やNPO、教育機関との連携により、新しい市場や事業モデルが生まれる可能性もあります。
企業がSDGsに取り組むデメリット
もちろん、SDGsへの取り組みには課題も存在します。
- コストとリソースの負担
新しい取り組みを始めるには、時間や資金、人材の確保が必要です。特に中小企業にとっては、限られたリソースの中でSDGsを推進することが負担となることもあります。 - 従業員のモチベーション低下の可能性
経営陣のトップダウンでのSDGs推進が現場の従業員に負担を強いる形になると、従業員のモチベーションが下がるリスクがあります。そのため、従業員の声を反映した取り組みが重要です。 - 本業への影響
SDGsに注力しすぎることで、既存事業や利益追求が疎かになる可能性もあります。持続可能性と収益性のバランスを慎重に取る必要があります。
最新の企業事例
株式会社大川印刷
環境や人の体に優しい石油系溶剤0%のインク、違法伐採によるものではないと証明された紙の使用などの印刷技術の使用、SDGsを意識した新製品の開発などの取り組みを行うことにより、持続可能な調達に関心の高い大手企業との新規取引の増加、売上増加などの成果が得られました。
株式会社SAMURAI TRADING
業務用デザートの製造の際に生まれ、それまで産業廃棄物として廃棄していた大量の卵殻を用いて、バイオマスプラスチックの製造・販売や、卵殻をパルプ・填料の大体とした紙製品の聞かう・開発を行い、SDGsに積極的に取り組む企業からの製品採用が増加し、産業廃棄にかかっていたコストを植林に使用し二酸化炭素の削減を実現しています。
株式会社ワンプラネット・カフェ
アフリカ・ザンビアのバナナペーパー工場で現地の人を雇用し、日本初のフェアトレード認証の紙であるバナナペーパーの生成を行い、ザンビアでの社会的弱者の雇用、現地の子供の教育支援、ソーラーランプの普及、安全な水の提供などによって、暮らしを支えることに貢献しています。
まとめ
CSRとSDGsは、持続可能な社会の実現に向けた重要な取り組みです。CSRは企業が自主的に行う社会貢献活動であり、SDGsは国際的な共通目標を掲げています。
企業がこれらに取り組むことで、社会課題の解決やブランド価値の向上、新たなビジネスチャンスの創出が期待されます。
一方で、取り組みにはコストや人材の課題もあるため、長期的な視点での計画と全社的な連携が不可欠です。
企業と社会がWin-Winの関係を築きながら、持続可能な未来を共に目指しましょう。
ス ポ ン サ ー リ ン ク
こ の 記 事 を 書 い た 人
株式会社OUTSENSE(あうとせんす)
株式会社OUTSENSEは、「折り工学」を専門とした設計会社です。折りによるデザイン性のや機能性の付与を通して、新規事業開発や製品課題解決をいたします。
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株式会社OUTSENSE
(あうとせんす)
株式会社OUTSENSEは、「折り工学」を専門とした設計会社です。折りによるデザイン性や機能性の付与を通して、新規事業開発や製品課題解決をいたします。本ブログでは、「折り工学」や研究開発、環境技術について発信しています。
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