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CSRレポートの基本を学ぼう!サステナビリティとの違いも解説
作成日:2022年8月27日 更新日: 2024年12月19日
近年、多くの企業や自治体、大学等の組織が、CSRレポートやサステナビリティレポートを公開しています。
レポートを公開する会社や組織の側としても、消費者や投資家、社会の一員としても、CSRレポートやサステナビリティレポートの書き方や内容について、理解しておきましょう。
ス ポ ン サ ー リ ン ク
目次
そもそもCSRとは
CSR(Corporate Social Responsibility)とは、「企業の社会的責任」を指します。
企業は社会や環境に多大な影響を与える存在であり、利益追求だけでなく、社会や環境に対して責任ある行動を取ることが求められます。
たとえば、以下のような活動がCSRの具体例です
- 環境負荷を減らす取り組み(省エネ技術やリサイクル)
- 地域社会への貢献(ボランティア活動や寄付)
- 従業員への適正な労働環境の提供
企業がCSRを果たすことは、社会との信頼関係を築き、長期的な企業価値を高めるために重要です。
CSRレポートとは何か
CSRレポートは、企業が行っているCSR活動を公開するための報告書です。
このレポートでは、以下の内容が含まれることが一般的です
- CSRの理念やビジョン
- 環境・社会への貢献活動
- ESG(環境・社会・ガバナンス)の取り組み
CSRレポートはステークホルダー(消費者、投資家、従業員など)との信頼関係を築くために重要なツールであり、企業の透明性を高める役割を果たします。
CSRレポートの役割
CSRレポートには大きく分けて以下の3つの役割が存在します。
- 企業経営の指針
CSRレポートは、企業が持続可能な経営を行うための指針として機能します。 - 社員理解の促進
従業員が自社の価値観や方向性を理解するための情報源となります。 - ステークホルダーとのコミュニケーションツール
外部ステークホルダー(投資家、顧客など)との信頼を築き、企業価値を評価するための基盤を提供します。
CSRレポートは、単なる企業の宣伝・広告ツールとは異なります。
企業にとってプラスになることも、マイナスになることも含めて、社内外のステークホルダーが企業を評価するための情報が載った報告書です。
また、各従業員がその企業の構成員として行動し意思決定をする際の道しるべとしての役割もあります。
CSRレポートとサステナビリティレポートの違い
CSRレポート | サステナビリティレポート |
企業活動に特化 | 社会全体の持続可能性を重視 |
CSR活動を詳細に報告 | 環境・社会に関する幅広い取り組みを記載 |
CSRレポートの現状
日本において、CSRレポートの発行企業は増加しています。
特にESG投資の拡大に伴い、非財務情報の重要性が高まっています。
国内の調査データ
ある調査によると、上場企業の約40%がCSRやサステナビリティレポートを発行しています。
また、中小企業においても、自治体や取引先からの要請でCSRレポートを作成する動きが見られます。
- 【調査内容】CSR・サスティナビリティレポートの発行の有無について
- 【対象期間】2017年11月~2018年1月
- 【対象企業】3000社(上場第1部、第2部、マザーズ、 計2,795社および非上場売上高上位205社)
- 【回答企業】140社
- 【結果】CSR・サスティナビリティレポートを発行していると答えた企業は56社にものぼった
出典:新時代の非財務情報開示のあり方に関する 調査研究報告書
ESG投資の広がり等にもみられるように、世界的に企業評価への非財務情報の活用がすすんでおり、日本でも企業の社会課題の解決への貢献度合いやその取り組みに対する関心が高まっています。
また、CSR活動は今や上場企業のみに求められるものではなく、上場企業や国や自治体と取引のある中小企業にも求められるようになってきています。こうした背景から、CSRレポートの発行は中小企業においても広がりを見せています。
日本企業のCSRレポートの事例
大阪ガス株式会社(大阪ガスグループ、現:Daigasグループ)
大阪ガスにおいては企業理念で宣言している「4 つの価値創造」の対象者で
ある「お客さま」「社会」「株主さま」「従業員」を中心に、マルチステークホルダーを対象にCSRに関する情報を開示しています。
・中長期計画では、バウンダリーをバリューチェーンにまで広げて、CSR に関わる各 指標設定や活動に取り組んでいく。特に環境面では、2017 年度から 2030 年度まで に累計約 7,000 万トンの CO2排出削減に取り組むことを宣言。
・事業と密接に関係し、最も貢献できる項目を中心にSDGs の目標を整理。CO2削減の 長期目標と関連する目標 13 の気候変動を中心に据え、目標 7、9、12 を手段として位置付け。事業拡大の下支えとなる人材確保、ダイバーシティ、イノベーションに関連する目標 5、8、11 にも貢献していきます。SDGs に関連付けたビジネスの発想をどう育てていくかが今後の課題。
Daigasグループ:https://www.daigasgroup.com/sustainability/index.html
大和ハウス工業株式会社
長期投資先として選定されることを意識し、企業評価機関・機関投資家・有識者を対象にCSRレポートを発行しています。
“大和ハウスグループの価値創造”に欠かせない 3 つの経営基盤(人財基盤、顧客基 盤、技術・ものづくり基盤)や強み(情報力、課題解決力、複合的な事業提案力)を軸に、グループの成長性を伝えています。
図出展 大和ハウスグループ:https://www.daiwahouse.co.jp/sustainable/csr/vision/
日本の大学のCSRレポートの事例
東京大学
東京大学では「環境情報の提供の促進等による特定事業者等の環境に配慮した事業活動の促進に関する法律(環境配慮促進法)」に基づき、「東京大学環境報告書」を発行しています。
2023年の報告書では東京大学の環境負荷に関するデータのみならず、環境配慮、サステイナビリティ、GX(グリーントランスフォーメーション)、および環境安全衛生管理に関する取り組みが取り上げられ、紹介されています。
参照:環境報告書 | 東京大学
東北大学
東北大学でも東京大学と同様に、「東北大学環境報告書」が発行されています。
「環境報告書2023」 は、環境問題に関する東北大学の最新の教育・研究及び各種の取組を紹介することで、多くの読者と「環境」を考える対話の端緒となることを願って発行されています。
参照:東北大学環境報告書
CSRレポートの書き方ガイドライン
では、実際にCSRレポートはどのように書けばよいのでしょうか。
現時点(2022年8月時点)では、CSRレポートに盛り込まなければならない内容について、法的なルールは日本には存在しません。そのため、既に存在するガイドラインを参考にしながらCSRレポートを書くというのが有効な方法とされています。
CSRレポートの基準作りを進めている国際的なNPOであるGRI(グローバル・レポーティング・イニシアティブ)が発行しているガイドラインが、日本や欧米でスタンダードとみなされており、実質的な国際基準となっています。
このガイドラインは、組織・会社が経済、環境、社会に与えるさまざまなインパクトについて一般の人々に情報提供する際の、国際的なベストプラクティスを反映している規準です。このガイドラインを利用して作成された報告書では、組織・会社が持続可能な発展に与える、プラスおよびマイナス両方の影響に関する情報が提供されます。
現時点では、2016年に出版されたGRIガイドラインが、最も有用な資料となっています。
最新のスタンダードの日本語版は、下記よりダウンロードできます。
まとめ
CSRレポートは、企業が自らの社会的責任を果たしていることを示し、ステークホルダーとの信頼関係を構築する重要なツールです。透明性の高い情報開示を行うことで、企業イメージの向上や長期的な成長の基盤を築くことができます。
本記事で紹介した事例やガイドラインを参考に、自社のCSR活動をわかりやすく伝えるレポートを作成してみてはいかがでしょうか?これからの時代、CSR活動の有無が企業の評価を大きく左右する要因となるでしょう。CSRレポートを効果的に活用し、持続可能な社会の実現に貢献していきましょう。
ス ポ ン サ ー リ ン ク
こ の 記 事 を 書 い た 人
株式会社OUTSENSE(あうとせんす)
株式会社OUTSENSEは、「折り工学」を専門とした設計会社です。折りによるデザイン性のや機能性の付与を通して、新規事業開発や製品課題解決をいたします。
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株式会社OUTSENSEは、「折り工学」を専門とした設計会社です。折りによるデザイン性や機能性の付与を通して、新規事業開発や製品課題解決をいたします。本ブログでは、「折り工学」や研究開発、環境技術について発信しています。
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