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【SDGsとは?】企業が取り組むメリットや具体的な事例について紹介!

作成日:2022年9月10日 更新日: 2024年5月27日

SDGsについては聞いたことがあっても、企業がどのように取り組んているのか、海外企業の取り組み、SDGsに取り組む際の企業の行動指針については知らないという方が多いのではないでしょうか。本記事では、企業が取り組むべき「SDGsコンパス」や北欧諸国の取り組みについて見ていきましょう!

ス ポ ン サ ー リ ン ク

目次

SDGsとは?

SDGs(エス・ディー・ジーズ)とは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称です。

2015年9月の国連サミットで可決された2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。貧困や飢餓、ジェンダー、地球温暖化、気候変動など21世紀に生きる私たちが抱える課題が包括的に挙げられ、17の大きな目標と169のターゲットから構成されています。「誰一人取り残さない」ことを原則としています。

17の目標とは?

17の目標とは以下の17個のことを言います。

 

  1. 貧困をなくそう
  2. 飢餓をゼロに
  3. すべての人に健康と福祉を
  4. 質の高い教育をみんなに
  5. ジェンダー平等を実現しよう
  6. 安全な水とトイレを世界中に
  7. エネルギーをみんなにそしてクリーンに
  8. 働きがいも経済成長も
  9. 産業と技術革新の基盤をつくろう
  10. 人や国の不平等をなくそう
  11. 住み続けられるまちづくりを
  12. つくる責任つかう責任
  13. 気候変動に具体的な対策を
  14. 海の豊かさを守ろう
  15. 陸の豊かさも守ろう
  16. 平和と公正をすべての人に
  17. パートナーシップで目標を達成しよう

SDGsCompassとは?

SDGsCompassとは、企業が、SDGsを経営戦略と整合させ、SDGsへの貢献を測定し管理していくかに関し、指針を提供することを目標とした「SDGsの企業行動指針」のことを言います。企業がSDGsに最大限貢献できるように5つのステップを提示し、それをもとに企業は戦略の方針を決定し、調整します。5つのステップとは次のようなものです。

1.SDGsを理解する

企業がSDGsに関して十分に正しく理解することを支援する。

2.優先課題を決定する

SDGsによってもたらされる最も重要な事業機会をとらえ、リスクを減らすために、SDGsに関して、正および負の影響を評価し、それに基づき、それぞれの優先的に取り組む課題を決定する

3.目標を設定する

企業の成功にとって重大である、目標の設定を企業全体を通じ、優先的事項の共有を促進し、パフォーマンスの改善を行う。企業は持続可能な開発に対する明確なコミットメントを示すことができる。

4.経営へ統合する

企業内のすべての機能に持続可能な開発目標を組み込み、目標達成を目指す。共有された目的を追求し、組織的な課題に取り組むために、政府や市民社会団体とのパートナーシップにより協働する必要がある。

5.報告とコミュニケーションを行う

共通の指針や共有された優先課題を活用して、持続可能な開発に関するパフォーマンスを報告することができる。SDGsCompassは企業がSDGsに関する事項を多くのステークホルダーとの意見交換や報告に導入していくことを推進する。


出典:SDGCompass (日本語版)

https://sdgcompass.org/wp-content/uploads/2016/04/SDG_Compass_Japanese.pdf

英語サイト https://sdgcompass.org/

マテリアリティとSDGs

マテリアリティとは「重要課題
」の意味で、企業が社会のさまざまな課題の中で重点的に取り組んでいることについて優先順位を付けたものです。「企業にとっての重要性」と訳されることもあります。

マテリアリティは、主に、企業がSDGsに対してどのように取り組んでいるかをアピールする際に使用され、「SDGsのどの項目を重要視しているか」、「どのようなプロセスでその取り組みを行うか」、「その取り組みが社会に与える効果はどのようなものか」など、SDGsへの取り組みを掘り下げ、ステークホルダーに向けてより明確で具体的な情報を公開することができます。

SDGsとCSR・ESGとの違い​

CSRとは?

CSR(シー・エス・アール)とは「Corporate Social Responsibility(企業の社会的責任)」の略称で、企業がより良い社会の実現の為に、組織活動を行うにあたって担わなければならない社会的責任の事を指します。

企業は利益を追求するだけでなく、従業員や消費者、投資者といったステークホルダーや、環境などへの配慮や社会貢献にいたるまでの幅広い領域において、適切な対応を行う義務があります。

CSR活動が必要となった背景には、企業の頻発する不正行為に対して、社会の見る目が変化したことにあります。企業が仕事をして対価を得て存続していく過程には必ず社会との繋がりがあり、企業は社会の中で企業の活動がどのような影響を及ぼすのかを考えて意思決定をし、事業を存続してくかを意識する必要があります。

ESGとは?

ESG(イー・エス・ジー)とは環境(E:Environment)、社会(S:Social)、ガバナンス(G:Governance)の英語の頭文字を合わせた言葉で、企業の長期的な成長に必要な観点であるとされ、以下のような取り組みが挙げられます。

  • 環境(E:Environment):二酸化炭素排出量の削減、プラスチック廃棄物の削減など
  • 社会(S:Social):職場環境における男女平等、ダイバーシティなど
  • ガバナンス(G:Governance):経営の透明性と公平性の向上、法令順守など

SDGsとCSRの違いとは?

SDGsとCSRには密接な関係があります。世界中のすべての国々でSDGsの目標達成が求められている昨今、より良い社会の実現の為に、企業のCSRには必然的にSDGsへの取り組みが求められます。

SDGsとESGの違いとは?

SDGsとESGの内容には似ているため混乱しがちですが、これらは明確な違いが存在します。SDGsは国連の加盟国が採択した目標であるのに対して、ESGは民間企業を経営する中で取り組まなければならない観点で、政府によって合意された目標ではありません。SDGsは持続可能な社会を実現するために、企業を含む全ての人が取り組むものですが、ESGは企業が主体となって取り組むことで、企業の価値を向上させる意味合いもあります。

企業がSDGsに注目する理由

次に、企業がSDGsに取り組むメリットを見ていきましょう。

社会課題への対応

SDGsの目標は様々な社会課題解決を目指しているため、自社経営にSDGsを取り入れて効果的に事業を実施できれば、結果的に社会課題の解決に貢献することができます。社会貢献を続ければ、自社で働く社員の働きがいやモチベーションアップにも繋がります。また、社会課題によっては自社に悪影響を与える潜在的なリスクを含んでいるため、そのリスクを回避することも期待されます。

新規事業創出に繋がる

SDGsに取り組むことによって、新規事業創出に繋がります。これまで重点的に取り組まれていなかったものの、早急な対応が求められる課題がSDGsには多く盛り込まれており、そうした課題を解決するためには、これまでなかったビジネスモデルを創出する必要があります。

企業のイメージアップに繋がる

SDGsは世界共通の目標であり、SDGsに取り組む企業は社会への責任を果たしている組織として認知され、イメージアップしやすい傾向にあります。SDGs達成に向けた企業独自の目標を掲げても、活動が伴っていないとむしろ信頼を失うことになります。しかし、目標を掲げたうえで実行し、その結果を社外に発表することでイメージアップにつながるでしょう。

製品やサービスに付加価値が生まれる

製品やサービスに付加価値が生まれることも、SDGsに取り組むメリットです。たとえば、環境に配慮した素材を製品に使ったり、二酸化炭素を出さない方法で生産したりすることで、最終製品の見た目や機能が同じであったとしても、付加価値が生まれます。製品やサービスの付加価値は、消費者が購入を決める際の判断材料のひとつとなり、結果的に自社の売上向上にも繋がります。

企業におけるSDGsの導入手順

企業が自社にSDGsの取り組みを導入するに当たって必要な事を順に解説します。

メンバー設定・SDGsの知識の習得

まず初めに、SDGsの推進を行う中心メンバーを決めます。そして、SDGsに対する知識を習得します。適切な知識の習得は、十分な取り組みを行う為には非常に重要なポイントとなります。

課題の設定

SDGsの17の目標のうち、自社が直面している状況も考慮しながら、優先的に解決すべき課題を絞り込みます。 自社の強み、得意分野を活かして貢献しやすい目標を選びましょう。

目標の設定

取り組む課題が決まったら、具体的な目標を設定しましょう。目標においても、自社ならではの特徴を活かせるような内容を意識しましょう。

自社のビジネスに取り組む

設定した課題、目標をもとにして、具体的にどのような取り組みを実践するのか検討します。SDGsへの取り組みは会社全体で進めることが重要です。SDGsの取り組みを自社のビジネスに落とし込む為に、SDGsを推進する中心メンバーだけでなく、全ての社員がSDGsを強く意識するように促す必要があります。

活動報告・軌道修正を行う

準備が整ったら、実際にSDGsとしての取り組みを行います。活動を進めながら、全体の状況を確認し、思うような成果が出ていない場合は軌道修正を行う必要もあります。

企業が行っているSDGsの取り組み事例

企業のSDGsの取り組み事例として、以下の3つの事例を紹介します。

JOINUS:Tシャツ下取りキャンペーン

「T シャツ下取りキャンペーン」 

神奈川県横浜市にある相鉄横浜駅直結の大型商業施設JOINUSで行われた、不要になったTシャツを持参すると同施設で利用できるクーポンがもらえるキャンペーンです。下取りされたTシャツは国際社会支援推進会「ワールドギフト」を通じ、再利用・途上国支援に役立てられます。

資生堂:持続可能なパッケージ開発

https://international.shiseido.co.jp/sbas-jp.html#

化粧品メーカー「資生堂」は1926年のレフィル製品発売から現在にいたるまで、バイオマス・再生PET・低温燃焼材など様々な形の持続可能なパッケージを開発しています。同社は2025年までに100%持続可能なパッケージを実現することを目標としています。その他、再生ポリエステル素材を使用したエコバッグを発売するなどSDGsに関する取り組みを行っています。

くら寿司:出張授業 お寿司で学ぶSDGs

https://www.kurasushi.co.jp/mirai/school/

回転寿司チェーン「くら寿司」が、小学校に出張して「持続可能な開発のための教育(ESD)」の一助となる授業を行っています。実際の店舗で使用している回転レーンを使って、回転寿司という身近な題材から水産業や食を巡る課題への理解を深め、解決方法を考える内容です。2022年から開始し、2024年現在までに37都道府県144校で開催し、計8,815名の子どもたちが参加しています。2024年度は地域限定開催を行っています。

先進国(北欧)のSDGs取り組み事例

SDGsの取り組みが盛んに行われ、世界を先導する北欧諸国は、各国それぞれがSDGsに取り組むほか、地域連携も進めています。また、北欧諸国では、国、地域社会、企業などすべての主体がSDGsが登場する以前から「持続可能性」を強く意識し、再生可能エネルギー利用・資源リサイクルなどを推進し、一般市民に持続可能なライフスタイルが浸透していると言えます。

そんな北欧各国の取り組み事例を紹介します。

スウェーデン:ゴミを分別し、電力エネルギー源に

スウェーデンではゴミを100種類に分別し、家庭ごみの99%をリサイクルや電力エネルギー源としています。スーパーマーケットなどの身近な場所に回収ステーションが設置され、製品ごとに回収施設が設置され、ゴミの分別に対する仕組みが整えられています。 また、回収されたゴミを発電に利用し、環境に配慮した取り組みを行っています。

フィンランド:レスポンシブルツーリズム

レスポンシブルツーリズムとは、「責任ある観光」と訳され、観光客や、観光業に携わるすべての人が、「その土地の環境や文化などに与える影響に対して責任を持つべき」という考えのもと、より良い観光地を作る動きの事です。レスポンシブルツーリズムの考えにより、サステナビリティな観光を推進することによって、自然・景観を守る事や、排気ガスを抑えることに繋がります。

デンマーク:UN17Village~持続可能な街づくり~

「UN17Village」とは、SDGsの17の項目の全てを体現した村をデンマークの首都コペンハーゲン南部に作ろうというプロジェクトです。施設の建設には廃棄予定だった木材などからつくられた「アップサイクル資材」を用いたり、電力を太陽光発電でまかなえるようにしたり、屋上に庭園を作り生物も暮らしやすい村にしていくなどの計画が立てられています。2024年・秋に完成が予定されています。

出典:UN17Village(英語サイト)

https://www.un17village.dk/en/

SDGsを達成するために個人でできること

「ナマケモノにもできるアクション・ガイド」とは?

SDGsの17の目標を紹介しましたが、その目標は海や陸などの環境の話、まちづくりの話など、普段の生活とは遠い出来事に思えます。そのため、一体なにから手を付ければ良いか分からないことばかりかもしれません。

そのため、国際連合広報センターでは、持続可能な社会の為のアクションを「ナマケモノにもできるアクション・ガイド」と名付けて公開しました。ナマケモノにもできるアクション・ガイドは4つのレベルに分かれています。その内容を抜粋して紹介します。

参考:国際連合広報センターhttps://www.unic.or.jp/news_press/features_backgrounders/24082/

 

レベル1:ソファに寝たままできること

・電気を節約しよう。電気機器を電源タップに差し込んで、使ってないときは完全に電源を切ろう。もちろん、パソコンもね

・請求書がきたら、銀行窓口でなく、オンラインかモバイルで支払おう。紙を使わなければ、森林を破壊しなくて済む

・ハッシュタグ#globalgoalsを使って、あなたがグローバル・ゴールズ/SDGsを達成するために何をしているか、私たちに教えてね!

レベル2:家にいてもできること

・ドライヤーや乾燥機を使わずに、髪の毛や衣服を自然乾燥させよう。衣服を洗う場合には、洗濯機の容量をフルにして使おう!

・短時間のシャワーを利用しよう。ちなみに、バスタブ入浴は5〜10分のシャワーに比べて水が何十リットルも余計に必要になるよ。

・生鮮品や残り物、食べきれない時は早めに冷凍しよう。翌日までに食べられそうにないテイクアウトやデリバリーもね。そうすれば、食べ物もお金も無駄にしなくて済むからね。

レベル3:家の外でできること

・「訳あり品」を買おう!大きさや形、色が規格に「合わない」という理由だけで捨てられてしまうような野菜や果物がたくさんあるよ。

・サステナブル・シーフードだけを買おう!どの海産物が安全に消費できるかを知ることができるアプリもいろいろ開発されてるよ。

・国や地方自治体のリーダーを選ぶ権利を上手に使おう。

レベル4:職場でできること

・職場のみんなが医療サービスを受けられているかな?労働者としての自分の権利を知ろう。そして、不平等と闘おう。

・職場で「ノーインパクト(地球への影響ゼロ)週間」を実施しよう。せめて1週間でも、より持続可能な暮らし方について学んでみよう。

・日々の決定を見つめなおし、変えてみよう。職場でリサイクルはできている?会社は、生態系に害を及ぼすようなやり方をしている業者から調達をしていないかな?

まとめ

たった 1人の行動が変化しても、社会に及ぼす影響は大きくないかもしれません。しかし、ひとりひとりがSDGsを意識して行動するようになれば、世界は大きく変わります。身近なところから取り組み、2030年までに目標達成を果たすことが重要です。

ス ポ ン サ ー リ ン ク

こ の 記 事 を 書 い た 人

株式会社OUTSENSE(あうとせんす)

株式会社OUTSENSEは、「折り工学」を専門とした設計会社です。折りによるデザイン性のや機能性の付与を通して、新規事業開発や製品課題解決をいたします。

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株式会社OUTSENSE

(あうとせんす)

株式会社OUTSENSEは、「折り工学」を専門とした設計会社です。折りによるデザイン性や機能性の付与を通して、新規事業開発や製品課題解決をいたします。本ブログでは、「折り工学」や研究開発、環境技術について発信しています。

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