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【誰でも始められる!】身近なSDGs事例と具体的な取り組み方を徹底解説

作成日:2022年10月8日 更新日: 2024年12月19日

この数年間で、一気に「SDGs」という言葉が広がり、身近な存在になりました。

しかし一方で、SDGsを達成するためのアクションはまだまだ足りているとは言えず、目標達成までの進捗が遅れています。

そこで国連では、2020年から2030年までの10年間を行動の10年」(Decade of Action)として、一人ひとりの行動を呼びかけています。

本記事では、身近でできるSDGsのための取り組みをご紹介します!

出典:国際連合広報センター

ス ポ ン サ ー リ ン ク

目次

SDGsとは?

SDGs(エス・ディー・ジーズ)とは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称です。

2015年9月の国連サミットで可決された2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。貧困や飢餓、ジェンダー、地球温暖化、気候変動など21世紀に生きる私たちが抱える課題が包括的に挙げられ、17の大きな目標と169のターゲットから構成されています。「誰一人取り残さない」ことを原則としています。

日本のSDGs達成状況

SDGsの17の目標を達成するために日本政府、日本企業はどのような取り組みを行い、どのような成果を挙げているのでしょうか。

日本政府では2016年に全閣僚をメンバーとする「SDGs推進本部」が設置され、SDGs達成に向けた動きが進められています。

しかし、日本のSDGs達成度ランキングは、2023年時点、166カ国中21位で、前年(163カ国中19位)から2ランク下がっています。2017年の11位をピークに低下し続けており、過去7年間は10位台で推移していましたが、今回初めて20位台になってしまいました。

スコアも79.6と、全体として課題が残る状態です。

参考:朝日新聞 SDGsアクション

遅れている分野

日本のSDGs達成状況で特に遅れが指摘されるのは、次の分野です

ジェンダー平等(目標5)

  • 政治分野: 女性の国会議員や地方議員の割合が低く、2022年時点で女性の国会議員比率は10.0%未満と主要先進国の中で最低レベル。
  • 経済分野: 企業における女性管理職の割合も依然として低く、2023年の調査では全体の10%を下回っています。
  • 家庭と社会の意識: 育児や家事の負担が女性に偏っている傾向が強く、女性の就業やキャリア形成において大きな障壁となっています。

気候変動への具体的対策(目標13)

  • CO2排出量削減の遅れ: 日本は依然として化石燃料への依存度が高く、二酸化炭素排出量が先進国の中で上位に位置しています。
  • 再生可能エネルギーの普及: 欧州諸国と比較して、再生可能エネルギーの普及率が低く、特に太陽光や風力発電の導入が他国に遅れています。
  • 法制度の遅れ: 炭素税や排出権取引制度の導入が不十分であり、民間企業の取り組みを後押しする政策が不足しています。
特に「2050年カーボンニュートラル」達成に向けた計画の具体性が欠けており、短期的な施策の強化が急務です。

達成が進んでいる分野

一方で、以下の分野では国際的にも高い評価を受けています

産業と技術革新の基盤構築(目標9)

  • 日本の強みである技術力と産業基盤は、SDGs達成において大きな成果を上げています。
  • エコ技術の開発: 日本企業はエネルギー効率の高い製品やリサイクル技術の開発で世界をリードしています。たとえば、排熱を利用した発電システムや、使用済みプラスチックの再生利用技術は国際的にも高い評価を受けています。
  • インフラ整備: 地震や洪水に強い耐震・防災技術が進化しており、アジア諸国への技術移転が積極的に行われています。
  • 国際協力: 開発途上国におけるインフラ支援や技術提供を通じて、持続可能な都市づくりや産業基盤の構築を支援しています。
これらの成果は、日本のSDGs達成において一部の分野での前進を示していますが、依然として他の目標とのバランスを取る必要があります。

課題と展望

日本のSDGs達成度には、分野ごとに大きな偏りが見られます。

一部の分野で進展がある一方、特にジェンダー平等や気候変動対策といった分野では遅れが目立ちます。これらの課題に対しては、政府のみならず地方自治体、企業、市民一人ひとりが協力して取り組む必要があります。

身近なSDGsの事例:個人で取り組めること

国連が作成した「ナマケモノにもできるアクション・ガイド」とは?

SDGsの17の目標を紹介しましたが、その目標は海や陸の環境の話、ジェンダー平等の話、まちづくりの話など、自分の生活とは遠い出来事に思えます。そのため、一体なにから手を付ければいいか分からないことばかりかもしれません。

そのため、国際連合広報センターでは持続可能な社会の為のアクションを「ナマケモノにもできるアクション・ガイド」と名付けて公開しました。ナマケモノにもできるアクション・ガイドは4つのレベルに分かれています。その内容を抜粋して紹介します。

引用:国際連合広報センター https://www.unic.or.jp/news_press/features_backgrounders/24082/

レベル1:ソファに寝たままできること

・電気を節約しよう。電気機器を電源タップに差し込んで、使ってないときは完全に電源を切ろう。もちろん、パソコンもね

・請求書がきたら、銀行窓口でなく、オンラインかモバイルで支払おう。紙を使わなければ、森林を破壊しなくて済む

・ハッシュタグ#globalgoalsを使って、あなたがグローバル・ゴールズ/SDGsを達成するために何をしているか、私たちに教えてね!

レベル2:家にいてもできること

・ドライヤーや乾燥機を使わずに、髪の毛や衣服を自然乾燥させよう。衣服を洗う場合には、洗濯機の容量をフルにして使おう!

・短時間のシャワーを利用しよう。ちなみに、バスタブ入浴は5〜10分のシャワーに比べて水が何十リットルも余計に必要になるよ。

・生鮮品や残り物、食べきれない時は早めに冷凍しよう。翌日までに食べられそうにないテイクアウトやデリバリーもね。そうすれば、食べ物もお金も無駄にしなくて済むからね。

レベル3:家の外でできること

・「訳あり品」を買おう!大きさや形、色が規格に「合わない」という理由だけで捨てられてしまうような野菜や果物がたくさんあるよ。

・サステナブル・シーフードだけを買おう!どの海産物が安全に消費できるかを知ることができるアプリもいろいろ開発されてるよ。

・国や地方自治体のリーダーを選ぶ権利を上手に使おう。

レベル4:職場でできること

・職場のみんなが医療サービスを受けられているかな?労働者としての自分の権利を知ろう。そして、不平等と闘おう。

・職場で「ノーインパクト(地球への影響ゼロ)週間」を実施しよう。せめて1週間でも、より持続可能な暮らし方について学んでみよう。

・日々の決定を見つめなおし、変えてみよう。職場でリサイクルはできている?会社は、生態系に害を及ぼすようなやり方をしている業者から調達をしていないかな?

身近なSDGsの事例:企業で取り組めること

企業のSDGsの取り組み事例として、以下の3つの事例を紹介します。

JOINUS:Tシャツ下取りキャンペーン

「T シャツ下取りキャンペーン」 

神奈川県横浜市にある相鉄横浜駅直結の大型商業施設JOINUSで行われた、不要になったTシャツを持参すると同施設で利用できるクーポンがもらえるキャンペーンです。下取りされたTシャツは国際社会支援推進会「ワールドギフト」を通じ、再利用・途上国支援に役立てられます。

資生堂:持続可能なパッケージ開発

SHISEIDO SUSTAINABLE BEAUTY ACTIONS #ShiseidoSBAS 化粧品メーカー「資生堂」は1926年のレフィル製品発売から現在にいたるまで、バイオマス・再生PET・低温燃焼材など様々な形の持続可能なパッケージを開発しています。同社は2025年までに100%持続可能なパッケージを実現することを目標としています。その他、再生ポリエステル素材を使用したエコバッグを発売するなどSDGsに関する取り組みを行っています。

くら寿司:出張授業 お寿司で学ぶSDGs

回転寿司チェーン「くら寿司」が、小学校に出張して「持続可能な開発のための教育(ESD)」の一助となる授業を行っています。実際の店舗で使用している回転レーンを使って、回転寿司という身近な題材から水産業や食を巡る課題への理解を深め、解決方法を考える内容です。

トヨタ:水素社会への挑戦

トヨタは、水素燃料電池車(FCV)の開発と普及を推進しています。

  • 水素ステーションの設置支援とインフラ整備の促進
  • 世界初の量産型燃料電池車「MIRAI」を開発・販売しています。水素と酸素の化学反応で電気を生成し、走行中にCO₂を排出しない環境に優しい車両です。

これらの取り組みにより、CO₂排出量の削減に寄与し、カーボンニュートラル社会の実現に向けた重要なステップを踏み出しています。さらに、水素エネルギーの普及を通じて、持続可能な社会の構築に貢献しています。

(引用:トヨタMIRAI

企業がSDGsに取り組む際に注意するべき事柄

SDGsへの取り組みは、企業が社会的責任を果たしながら、競争力を高める重要な戦略となります。しかし、注意を怠ると逆効果になり、社会的信用の低下やリソースの浪費につながる可能性があります。以下に、具体例を交えながら解説します。

SDGsウォッシュの回避

SDGsウォッシュとはSDGsの本質を理解しないままに、SDGsに取り組んでいる”フリ”をする行為です。このような行為の結果、社会的な信用を失った企業も散見されますので注意したいところです。 事例1: PRだけに終始するケース ある企業が「環境に優しい製品」として商品を販売しましたが、実際には製造過程で大量のCO₂を排出していることが判明。結果として、消費者の批判を受け、大規模なリコールと謝罪を余儀なくされました。 回避方法
  • 透明性の確保: 数値データを活用し、取り組みの効果を正確に公開する。 第三者認証の活用: 国際基準に基づいた認証を受けることで信頼性を高める(例:ISO14001)。
  • 社員教育の徹底: 従業員にSDGsの本質を理解させることで、活動を内側から支える仕組みを構築する。

ボランティア活動だけに終わらない戦略的な計画

SDGsの取り組みが、単なる一過性のボランティア活動に留まると、企業にとって持続的な価値を生むことが難しくなります。

事例2: 本業に結びつけた成功例
資生堂は、持続可能なパッケージ開発を本業の延長として進めています。同社はバイオマスや再生PET素材を用いた製品開発により、環境負荷の軽減を図るだけでなく、エコ意識の高い顧客層の支持を得ることに成功しました。

戦略的計画のポイント

  • 本業との連携: 自社の強みや事業ドメインを活かしたSDGs活動を設計する。
  • 長期的な目標設定: 短期的な結果ではなく、10年以上を見据えた計画を立てる。
  • KPIの設定: 具体的な成果指標(例:CO₂排出量の削減率、エネルギー効率の向上)を定め、進捗を管理する。

過剰なコスト負担を避ける

SDGsの実践には、初期投資や運営コストが発生します。過剰な負担が企業の経営を圧迫するようでは本末転倒です。

事例3: 他社事例から学ぶ効率的な実践
ある中小企業は、社内で発生する廃材をリサイクル業者に委託するコストを削減するため、地域のアートプロジェクトと提携。廃材を利用したアート作品を制作し、プロモーション活動としても活用しました。この取り組みは低コストでSDGsを推進し、企業の認知度向上にも寄与しました。

コストを抑える方法

  • 他社との連携: 業界内や地域でパートナーシップを結び、リソースを共有する。
  • 小規模からスタート: まずは取り組みやすい範囲で始め、成功体験を積み重ねる。
  • 補助金や助成金の活用: 政府や地方自治体が提供するSDGs関連の助成金を調査・活用する。

まとめ

身近な事例を参考に、個人や企業がSDGsに取り組むことによって持続可能な未来が実現します。個人の規模でしかできないこと、企業の規模でしかできないことをよく理解した上でそれぞれの活動に役立てられると理想的ですね。

できることから一歩ずつ行動していきましょう!

ス ポ ン サ ー リ ン ク

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株式会社OUTSENSE(あうとせんす)

株式会社OUTSENSEは、「折り工学」を専門とした設計会社です。折りによるデザイン性のや機能性の付与を通して、新規事業開発や製品課題解決をいたします。

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株式会社OUTSENSEは、「折り工学」を専門とした設計会社です。折りによるデザイン性や機能性の付与を通して、新規事業開発や製品課題解決をいたします。本ブログでは、「折り工学」や研究開発、環境技術について発信しています。

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