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アップサイクルで廃材に新たな命を!企業が注目する理由とメリットを解説
作成日:2022年10月10日 更新日: 2024年12月12日
近年、「アップサイクル」という言葉を耳にする機会が増えています。一見リサイクルと似ていますが、アップサイクルはより創造的で革新的な取り組みとして注目されています。
本記事では、アップサイクルの意味やSDGsへの影響、さらに企業や地域の具体的な取り組み事例を詳しく解説します。廃棄物をどう活かすのか、一緒に学んでいきましょう!
図引用:講談社 https://sdgs.kodansha.co.jp/news/knowledge/40580/
ス ポ ン サ ー リ ン ク
目次
廃材を活かしてSDGsに挑む私たちの未来
- 食品ロス 世界では年間40億トンの食料が生産され、その約3分の1に相当する13億トンが廃棄されています。一方で、約8億人が飢えに苦しんでいる状況です。この矛盾した現状は、世界的な課題として取り組みが進められています。日本国内でも、2020年度の食品ロスは約522万トンで、その多くが家庭や企業から発生しています。
- プラスチック問題 プラスチックごみは毎年数千万トン規模で排出されていますが、その多くが適切に処理されず海洋へ流出しています。この結果、ウミガメやクジラがプラスチックを誤飲し、健康を害する問題が頻発しています。さらに、プラスチックは焼却処理時に二酸化炭素を排出するため、地球温暖化の一因ともなっています。
SDGsとは?その背景と目標
SDGs(持続可能な開発目標)は、2015年に国連サミットで採択された2030年までの国際目標です。
特に目標12「つくる責任、つかう責任」は、廃棄物削減や消費行動の見直しに関する取り組みを推進する重要な項目です。
また、関連する他の目標として気候変動対策(目標13)や海洋汚染の削減(目標14)が挙げられます。
アップサイクルとは?リサイクルとの違いと文化的背景
アップサイクルの定義
アップサイクルは、廃棄予定の素材や製品に新たな価値を加え、別の形で再利用することです。
例えば、古着をリメイクして高価なデザインバッグを作る例や、廃棄自転車を使って家具を作る取り組みが挙げられます。
デザインやアイデアによって付加価値が与えられることで、ものとしての寿命が長くなることが期待されるため、製品のアップグレードととらえることもできます。
日本の伝統文化「金継ぎ」
資源の乏しい日本では、再利用する文化は古くから根付いていました。
陶器などの割れやひびを漆でつなぎ、つなぎ目を金や銀で装飾する「金継ぎ」は室町時代から行われている日本の文化です。
このアップサイクルが現在改めて注目されています。
リサイクルやクリエイティブリユースとの違い
- リサイクル:素材を原料に戻し、再び製品化するプロセス
- クリエイティブリユース:廃材を使って芸術作品やインテリアを作る創造的な再利用
- アップサイクル:製品の形を活かし、デザインやアイデアで付加価値を高める
クリエイティブリユースという呼称のほか、エコアート、廃材アートなどと呼ばれることもあり、サステナブルな社会を実現する上で重要となる考え方の1つといえます。
アップサイクルがSDGsに与える影響
SDGs目標12との関係
アップサイクルは、目標12「つくる責任、つかう責任」における廃棄物削減の具体的な解決策の一つです。
私たちの今の生活は、資源を大量に使い、未来の資源やエネルギーを先に使ってしまっている生活と言えます。
製品寿命を延ばすことで、資源の消費量を抑え、環境負荷の軽減を図ります。
地球上の資源には限りがあります。持続可能な生活をするために、私たちは生産、消費に目を向け行動を変える責任があります。
他の目標への波及効果
- 目標13(気候変動に具体的な対策を):廃棄物処理時のCO2排出量を削減
- 目標14(海の豊かさを守ろう):海洋へのプラスチック流出防止
- 目標15(陸の豊かさを守ろう):資源採掘の抑制による自然環境保全
廃棄物の現状とSDGs目標達成のための対策
廃棄物問題と上手く向き合いながら、サステナブルな社会を実現するために、具体的にどのような対策が行われているのでしょうか?
ここでは廃棄物問題の現状と、いくつかの具体的な取り組み内容を紹介します。
目標達成のために何ができる?
- ゴミを焼却した時の廃熱をエネルギーとして利用(サーマルリサイクル)
- 破砕した木材をウッドチップとして再利用
- 古紙や再生紙を溶解し、トイレットペーパーとして再利用
- 廃油に油性分離を施し、再生重油燃料として利用
アップサイクルとSDGsとの関係
企業と地域が取り組むアップサイクル事例
IDEA R LAB(岡山県倉敷市)の活動
岡山県倉敷市に拠点を置くIDEA R LABは、地域で発生する廃材を活用して新しい商品を作り出しています。例えば、家具やアート作品への転用が進められ、地域コミュニティとの連携を図っています。
代表取締役の大月ヒロ子さんは、クリエイティブリユースという呼び方を広めた中心人物でもあります。
画像出展:廃材に新しい命を吹き込む”クリエイティブリユース”って?「IDEA R LAB」大月ヒロ子さんに聞く「人の心を動かす資源の活かし方」 | greenz.jp グリーンズ
アパレル業界の取り組み
有名ブランドでは、余剰在庫や古着を利用して新商品を製造する事例が増えています。
これにより、廃棄コストの削減やブランドイメージ向上を図っています。
世界的な成功事例
アメリカでは、廃棄自転車をリメイクして家庭用家具を作る企業が人気を博しています。
こうした取り組みは、持続可能な消費のモデルケースとして注目されています。
アップサイクル推進がもたらす企業メリット
企業がアップサイクルを進める上で考えられる代表的なメリットを紹介します。
省エネ・コスト削減効果
企業のPR効果
近年、環境、社会、ガバナンスに関わるさまざまな問題を解決しながら、持続可能な経済成長を目指すESG経営が広まっています。
アップサイクルを行った商品を展開することは、環境負荷を考慮した持続可能なものづくりを行っていることを表し、消費者や投資家の目にも触れやすくなり注目を浴びる機会が増えるでしょう。
まとめ
アップサイクルは、単なる環境問題の解決策にとどまらず、私たちの暮らしや企業活動に新たな価値を生み出します。
個人でも企業でも取り組めるこの手法は、持続可能な社会を実現するためのカギとなるでしょう。
身の回りのものを捨てる前に、他の使い方ができないか、考えてみませんか?
OUTSENSEでは、アップサイクル素材の折り目加工/量産技術の開発をさせていただいております。ぜひ、ご相談ください!
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こ の 記 事 を 書 い た 人
株式会社OUTSENSE(あうとせんす)
株式会社OUTSENSEは、「折り工学」を専門とした設計会社です。折りによるデザイン性のや機能性の付与を通して、新規事業開発や製品課題解決をいたします。
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(あうとせんす)
株式会社OUTSENSEは、「折り工学」を専門とした設計会社です。折りによるデザイン性や機能性の付与を通して、新規事業開発や製品課題解決をいたします。本ブログでは、「折り工学」や研究開発、環境技術について発信しています。
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