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3Rの1つ、リデュースとは?リユース・リサイクルとの違いから、カギを握る省資源化・長寿命化技術についても解説!

作成日:2023年1月30日 更新日: 2024年5月20日

持続可能な社会の実現のために必要な、Reduce(リデュース;発生抑制)、Reuse(リユース;再使用)、Recycle(リサイクル;再生利用)の3つのアクションを合わせて「3R」と呼びます。

本記事では「3R」の中でも最も重要とされるリデュースについて、リデュースとは何か、リデュースのために必要なアクションは何かという観点で解説します。

ス ポ ン サ ー リ ン ク

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リデュースとは

リデュースとは、ごみの発生を抑制することや製品をつくる際の資源の消費を減らすことを意味します。つまり、廃棄するもの自体を減らそうという取り組みです。

例えば、消費者側では、ごみになるものや過剰な包装の商品を買わないこと、長く使える製品を使うことが挙げられます。

また、企業においては商品の包装や容器を簡易な設計にしたり(省資源化)、製品の耐久性やメンテナンス性を上げて長寿命化することがリデュースに繋がります。

参考:環境省、「【特集】3R徹底宣言! | 特集 | ecojin(エコジン)」、https://www.env.go.jp/guide/info/ecojin/feature1/20221116.html

カギを握る省資源化・長寿命化技術

リデュース実現のためのキーワードは、「省資源化」と「長寿命化」です。製品の製造の段階で原材料の使用量を減らす省資源化と、長持ちする製品を製造することや製品の修理体制を整備することによる長寿命化がリデュースにおいて重要となります。

ここでは、具体的な技術開発の事例を上げて、省資源化と長寿命化について考えます。

省資源化技術

①アルミ/スチール缶、PETボトル等の薄肉化

アルミ缶やPETボトルの容器の厚みを減らすことで原材料の使用を減らす取り組みがなされています。

薄肉化をする際には容器の強度が低下してしまうで、いかにして強度を確保するかが開発課題となります。この強度の課題に対して、容器の素材そのものの研究や、構造上の工夫によって強度を向上させる開発が行われています。

ここで、省資源化によるリデュースに取り組んだ事例を紹介します。

東洋製罐株式会社では「ダイヤカット缶」という強度*1の高い缶が開発されました。これはPCCPシェルと呼ばれる幾何学的パターンを応用した製品です。現在では飲料缶としていくつかの商品に使用されているので、目にしたことがある方も多いかと思います。この製品は強度が高いために缶の板厚を薄くすることができ、従来よりも30%の軽量化、材料削減を実現しています。

*1:正確にはパネリング強度:缶の内側への凹みに耐える強度

参考:東洋製罐株式会社、「ダイヤカット」、 |https://www.toyo-seikan.co.jp/technology/can/decorationshape/diamondcut/

②自動車車体部品の軽量化

自動車部品に関しては、燃費向上や原材料削減の観点から軽量化の技術開発が進められています。材料に関する取り組みとして、従来の鋼板の代わりにハイテンと呼ばれる高張力鋼板を用いることで、強度を保ちながら材料の厚みや重量を削減することに成功しています。

さらに、近年ではアルミやマグネシウム、樹脂など、より軽量な材料を用いた開発も盛んになっており、原材料だけでなく走行時の石油消費を削減することにも繋がります。

参考:

三菱ケミカル株式会社、「自動車の軽量化が求められる理由とは?カギを握る「素材開発」の最新動向|自動車関連ソリューション」、https://mcc-ams.com/article/01/

日本自動車工業会/環境省、「自動車製造業者における3Rの取組み」、https://www.env.go.jp/council/former2013/03haiki/y035-11/mat07-1.pdf

長寿命化技術

①代替技術の開発

同じ機能を持った製品に関して、新しい技術によって大幅な長寿命化が実現できた例があります。例えば、LED(発光ダイオード)は白熱電球と比較して定格寿命が40倍になります。つまり、電球の廃棄個数は40分の1になるということです。さらに、LEDという技術によって消費電力を約85%削減することも実現しています。

参考:環境省、「エコ照明の基礎知識|あかり未来計画」https://ondankataisaku.env.go.jp/coolchoice/akari/basic/

②自動車車体の長寿命化

自動車ではエンジンオイル等の液体類を定期的に交換する必要がありますが、オイルの耐久性を向上させて使用年数を延長することに取り組んでいます。

また、自動車車体部品に耐久性・耐候性の高い素材を用いることで長寿命化をはかり、メンテナンス性を向上させています。

参考:国立環境研究所、「リデュース技術 – 環境技術解説|環境展望台:国立環境研究所 環境情報メディア」、https://tenbou.nies.go.jp/science/description/detail.php?id=55

リユース、リサイクルとの違い

「3R」には、それぞれどのような違いがあるのでしょうか。

リユースとは、使用済みの製品をごみとして廃棄せずに繰り返し使うことです。具体的には、フリーマーケットなどを通じて不要になった品を再活用することや、リターナブル容器を使用することが挙げられます。

リサイクルとは、ごみなどの廃棄物を原材料やエネルギー源として有効に活用する取り組みです。具体例としては、資源ごみを分別回収したり、リサイクル製品を利用することが挙げられます。

リデュースの取り組みは、そもそもごみを出さない、または減らすことを目的としています。この点において、発生したごみをどのように処理するかというリユース、リサイクルとは異なります。ごみを減らすことができればリユース、リサイクルの段階に回るものを削減できるので、3Rの中ではリデュースが最も重要であるとされています。

参考:環境省、「【特集】3R徹底宣言! | 特集 | ecojin(エコジン)」、https://www.env.go.jp/guide/info/ecojin/feature1/20221116.html

リデュースを行うメリット

リデュースのメリットには以下のようなものがあります。環境の負荷を低減できるだけでなく、企業や自治体にとってコストを抑えることにもつながるというメリットがあります。

社会にとってのメリット

  • 製品をつくるエネルギー、ごみを処理するエネルギーを削減できる
  • ごみを処理する際に排出される二酸化炭素を削減できる

企業にとってのメリット

  • 省資源化により製造時のコストを削減できる

自治体にとってのメリット

  • ごみの処理に必要な費用を削減できる

参考:ベネッセ、「リデュースを行うメリット4つ|各国におけるリデュースの取り組みも紹介、

https://benesse.jp/sdgs/article19.html

リデュースの取り組み

リデュースに関する企業の取り組み(省資源化・長寿命化に関するものを中心に)

2001年に施行された「資源の有効な利用の促進に関する法律」では事業者に対して、リサイクル、リユースの対策に加えて「製品の省資源化・長寿命化等による廃棄物の発生抑制(リデュース)対策」を講じること、10業種・69品目に関して3Rの取り組むことを定めています。特に、自動車、家電製品、金属製家具等の製品について省資源化・長寿命化の設計を行うべきとしています。また、パルプ・紙、化学工業製品、鉄鋼、銅、自動車の製造業者等について副産物の発生抑制を行うべきとしています。

法的な定め以外も含めると、事業者がリデュースのために取り組むことができるアクションには次のようなものがあります。前述の省資源化、長寿命化といった製品・製造に対する工夫だけでなく、消費者が廃棄物を削減しやすくする仕組みづくりなどのソフト面でのアクションも重要となります。

  • 製品を設計する時に、製品ができるだけ長く使えるように工夫をする(耐久性、修理性等)。
  • 製品を設計する時に、製品ができるだけ少ない材料、部品等で構成されるように工夫する(省資源化)。
  • 製品をつくる時に、原材料を無駄なく効率的に使うように工夫する。
  • 修理や点検等のアフターサービスを充実することにより、製品の長期使用促進に努める。
  • 簡易梱包、簡易包装、詰め替え容器、通い箱等の利用、普及に努める。
  • 機械器具等の手入れ方法や修理方法を工夫して長期使用に努める。
  • 利用頻度の少ないものをシェアする仕組み、不用品を有効に活用する仕組みをつくる。
  • 耐久性の高い製品や省資源化設計の製品を選ぶ。
  • 食品ロスを削減する仕組みを作る。

 

引用:リデュース・リユース・リサイクル推進協議会、「3Rについて」、 https://www.3r-suishinkyogikai.jp/intro/3rs/

リデュースに関する個人の取り組み

消費者である私たち一人ひとりが取り組むことができるリデュースアクションには次のようなものがあります。

  • ごみになるものを買わない、もらわない。
  • 長く使える製品を買う、手入れや修理をしながら長く大切に使う。
  • マイバッグを持って無駄な包装は断る。
  • 詰め替え容器に入った製品や簡易包装の製品を選ぶ。
  • 利用回数の少ないものは、レンタルやシェアリングシステムを利用する。
  • 省資源化設計の製品を選ぶ。

 

引用:環境省、「【特集】3R徹底宣言! | 特集 | ecojin(エコジン)」、https://www.env.go.jp/guide/info/ecojin/feature1/20221116.html

 

ここにあげたアクションを見てみると、買い物の際に少し気をつけるだけで改善できることばかりです。できるだけ無駄なものを買わない、ごみが少ない製品を選ぶという意識がリデュースにつながっていきます。

カーボンフリーに貢献可能

環境省では、脱炭素社会の実現に向けて「ゼロカーボンアクション30」という取り組みを推進しています。これは一人ひとりが取り組むことができるライフスタイルを提案したもので、その中にはリデュースに関係の深いものもあります。

一つは使い捨てプラスチックの使用をなるべく減らして、マイバック、マイボトルを使うことです。仮に使い捨てのペットボトル(500mL)をステンレス製のマイボトルに置き換えて年間30回、5年間利用した場合、年間4kgのCO2を削減できます。

また、ものが壊れた時に修理して長く使うことでCO2の排出を削減できます。仮に家電製品の購入頻度を従来の1/4にした場合、年間のCO2削減量は45kgになるそうです。

上記の消費者が実行できるアクションだけでなく、企業が省資源化を行い、製造、廃棄の過程で排出するCO2を削減することも大切です。

まとめ

ごみを減らすにはリサイクルだけでなくリデュースも重要

廃棄物を減らして環境負荷を下げる取り組みとしては、リデュースよりもリサイクルについて耳にする機会が多いかもしれません。もちろん、限りある資源を再利用するリサイクルは重要ですが、そもそも使用する資源を少なくすれば生産、廃棄に必要なエネルギーも少なくなり環境負荷の低減に繋がります。

この記事を通してリデュースが重要であり、日常生活の中で気軽に取り組むことができるということを理解していただけましたら幸いです。

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株式会社OUTSENSEは、「折り工学」を専門とした設計会社です。折りによるデザイン性のや機能性の付与を通して、新規事業開発や製品課題解決をいたします。

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