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アパレル業界で人気!?ファッションに活かす折り工学や具体例

作成日:2024年6月5日 更新日: –

街中で、幾何学模様のバッグを持っている人を見かけたことはありませんか?もしかしたら、ISSEY MIYAKEの「折り工学」を応用したバッグかもしれません。

本記事では、OUTSENSEが強みとしている折り工学や、アパレル・ファッション業界で応用されている事例についてご紹介します。

ス ポ ン サ ー リ ン ク

目次

折り工学とは

折り工学(折り紙工学)は、紙を折った際に生まれる幾何学的パターンを利用し、様々な材料や技術に応用する学問領域です。

折り紙の規則的な折り目を活かし、プロダクトの表面構造や機能を設計することが可能です。折りたたみや立体造形により、プロダクトの輸送効率や保管効率を高めるだけでなく、航空宇宙業界では宇宙パネルの展開、包装資材業界では映えるデザインのパッケージなど、革新的な応用が進められています。折り工学は紙に限らず、様々な材料にも適用可能です。

OUTSENSEでは「折り工学」という名称を用いています。

折り工学とアパレルの繋がり ~世界的ブランド「ISSEY MIYAKE」を例に~

折り工学は、伝統的な日本の折り紙を科学的手法や工学的視点で研究・応用する学問領域ですが、その影響はアパレル・ファッション界にも広がっています。特に、世界的なブランドである「ISSEY MIYAKE(イッセイ ミヤケ)」は、折り工学を独自のアプローチとして取り入れ、革新的なファッション・アパレルを創造してきました。 ISSEY MIYAKEの折り紙のデザインを活かした代表的なプロダクトをいくつかご紹介します。

PLEATS PLEASE

製品プリーツ」と呼ばれる、服の形に縫製した後にプリーツをかける技法を用いた衣服。素材の開発から行い、プリーツの美しいラインと立体感が特徴で、身体にフィットしながらも自由な動きを実現しています。

BAO BAO

折り紙の折り目の原理に基づき、三角ピース を原型に多角形のパターンを使ったバッグです。ものを入れる過程で立体的になる幾何学的な造形が特徴であり、美しさと実用性を兼ね備えた革新的なデザインを実現しています。

ISSEY MIYAKEの取り組みは、アパレル界における折り工学の可能性を広げました。その革新的なデザインと機能性は世界中で高く評価され、多くの人々に影響を与えています。折り工学とアパレルの融合は、伝統と現代の融合を象徴しており、未来のアパレル・ファッションの可能性を切り拓いています。

ISSEY MIYAKEのようなブランドを通じて、折り工学がアパレル・ファッションに与える影響はますます注目されています。折り紙の美しさと創造力が、アパレル・ファッションの新たな表現手段として世界中で探求され続けています。

参照:

isseymiyake.com、「PLEATS PLEASE ISSEY MIYAKE」

https://www.isseymiyake.com/pages/pleatsplease#section0

isseymiyake.com、「BAO BAO  ISSEY MIYAKE」

https://www.isseymiyake.com/pages/baobao#section1

折り工学をアパレル分野に生かす様々な取り組み

ISSEY MIYAKE以外にも折り工学をアパレルに取り入れようという取り組みがあります。

折り工学と建築の知識をアパレルへ応用

建築構造エンジニアの下田さんは、建築とアパレルを組み合わせた研究に取り組んでいます。彼は折り紙の幾何学を建築に応用する方法を探求し、その特性をアパレルデザインにも取り入れました。

彼のプロジェクトでは、「膜テンセグリティ」と呼ばれる構造を折り紙の幾何学を使ってアパレルに応用しています。布と棒を組み合わせて立体的な形を作り出すドレスやコクーン型の作品を制作しました。

彼はデザイナーやパタンナーと協力しながら、スケッチや3Dモデルを作成し、シミュレーションを通じて作品の動きや着心地を確認しました。彼の研究は建築とファッションの融合によって新たな可能性を追求し、折り紙の技術と創造力を通じて私たちに新しい視点を与えてくれます。

参照:

Fashion Tech News、「下田悠太「折り紙の幾何学から考える建築とファッションの架橋」」

https://fashiontechnews.zozo.com/research/yuta_shimoda

着る人とともに“成長する”服~これからの時代にふさわしいサステナブルな子ども服~

ロンドンの子供服ブランド「Petit Pli(プチ・プリ)」は、子供の成長に合わせて伸縮する服
を提案しています。プリーツ生地を使用し、防水加工や洗濯の簡便さ、耐久性などの機能も備えています。

この革新的なデザインにより、子供服のサイズアウト問題や環境負荷を軽減することができます。

設立者のライアン・ヤシン氏は航空工学の学位を持ち、大学で学んだ科学的原則を応用してこのアイデアを実現しました。Petit Pliのデザインはイッセイ・ミヤケのモデルを参考にし、デザイン性と耐久性を重視しています。このようなサステナブルなアパレルは、子供服の大量消費問題に対する新たな解決策として注目されています。

参照:

「Petit Pli」

https://shop.petitpli.com/

ELEMINIST(エレミニスト)、「ヒントは折り紙「成長しても着られる子ども服」 英発プチ・プリに注目」

https://eleminist.com/article/2059

IDEAS FOR GOOD、「ロンドン発、子供とともにサイズが成長していくサステナブルな子供服「Petit Pil」」

https://ideasforgood.jp/2017/09/11/petit-pli/

設計技術と製造技術の融合による新しい立体

Nature Architects株式会社は、A-POC ABLE ISSEY MIYAKEとの共同開発により、DFM(Direct Functional Modeling)という新しい設計アルゴリズムのフレームワークを活用して、熱で自動的に立体に変形する布「Steam Stretch」
の設計製造技術を開発しています。

Nature Architectsの設計技術によって、布の収縮パターンを計算し、複雑なプリーツ形状の展開図を自動生成するという設計プロセスを確立し、熱を加えるだけで立体化するという革新的な製造技術を実現しました。

これにより、最小限の縫製でジャケットや照明などの立体的なプロダクトを生み出すことに成功しています。

参照:

Nature Architects inc.、「熱で自在に変形する布 ”Steam Stretch”の設計製造技術 を エイポック エイブル イッセイミヤケ と共同開発」

https://nature-architects.com/blog/1061/

まとめ

このように、折り工学はそのデザイン性と機能性からアパレル・ファッションとの相性も良い分野です。

コンピューターを用いた設計技術の発展により従来よりも自由な形状を生成することが可能になっているため、今後ファッションとの関係性もより深くなっていくことが期待されます。

ス ポ ン サ ー リ ン ク

こ の 記 事 を 書 い た 人

株式会社OUTSENSE(あうとせんす)

株式会社OUTSENSEは、「折り工学」を専門とした設計会社です。折りによるデザイン性のや機能性の付与を通して、新規事業開発や製品課題解決をいたします。

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株式会社OUTSENSE

(あうとせんす)

株式会社OUTSENSEは、「折り工学」を専門とした設計会社です。折りによるデザイン性や機能性の付与を通して、新規事業開発や製品課題解決をいたします。本ブログでは、「折り工学」や研究開発、環境技術について発信しています。

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