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折り工学と建築の関係とは?具体例も紹介!

作成日:2024年6月5日 更新日: –

「折り工学」をご存じでしょうか?「折り紙」から発展したため紙のイメージが強いですが、実は建築に応用されているんです。実際の具体例とともにご紹介します。

ス ポ ン サ ー リ ン ク

目次

折り工学とは

折り工学(おりこうがく)は、日本の伝統的な折り紙を科学的な手法や工学的な視点で研究・応用する学問領域です。

折り紙は紙を折り畳んで形を作り出す技術であり、折り工学はこの技術をさまざまな分野で応用するために、科学的な原理や工学的な手法を取り入れることを目指しています。

折り工学と建築の関係

折り工学と建築には、以下のような関係や繋がりがあります。

構造設計

折り工学の原理や手法を用いて、建築物の構造設計に応用することができます。折り紙は紙を折り畳んで強度や剛性を持つ形状を作り出す技術であり、この原理を建築構造に応用することで、軽量で強固な構造物 を実現することが可能です。また、折り紙の折り方やパターンを最適化することで、特定の形状や機能を持つ建築物を設計することもできます。

形状設計

折り紙の美しい形状や幾何学的な特性は、建築物のデザインに活かすことができます。折り紙の独特な折り方や模様を取り入れることで、建築物の外観や内部空間に興味深い形態やディテールをもたらすことができます。折り紙工学のアプローチを用いることで、建築物のデザインにおいて創造性や独自性を追求することができます。

持続可能性

折り工学は、軽量で効率的な構造や素材の最適化に貢献することができます。建築物の設計においては、環境への負荷を軽減する持続可能なアプローチが求められます。折り工学の原理を取り入れることで、材料の使用量を削減したり、エネルギー効率を向上させる設計が可能となります。

テンポラリー建築への応用

折り工学は防災分野での応用が期待されています。折り紙の独特な構造や折り目の配置を利用し、軽量かつ強固な構造物や防災シェルターの設計や、折りたたみ式の避難用具の開発が進められています。

これにより、災害時の被害軽減や迅速な避難対策が可能となります。折り工学は、簡素な材料と創造力を結びつけることで、より効果的な防災手段を提供する可能性を秘めています。

このように、折り工学は、建築設計や構造設計において新たな視点や手法を提供することができます。折り紙の美しさや複雑な形態を建築物に取り入れることで、創造的なデザインや持続可能な建築の実現に役立つ可能性があります。

建築分野への応用事例

折り工学の建築分野への具体的な事例をいくつか紹介します。

空間展開と構造設計:群馬音楽センター

折り紙の原理を利用して、建築物の空間展開や構造設計を行うことがあります。たとえば、アントニン・レーモンド氏が設計した「群馬音楽センター」では、折り紙のような形状を持つ屋根構造が採用されています。この構造は、折り紙の折り目を模したパネルを組み合わせることで、大きな空間を創出すると同時に、強度や剛性を確保しています。

参考:

公益財団法人高崎財団「群馬音楽センター ホールガイド」
http://www.takasaki-foundation.or.jp/center/hall.html

凹凸形状のデザイン:東急プラザ表参道原宿

折り工学の原理を応用して、凹凸形状の構造物のデザインに活かすことがあります。たとえば、「東急プラザ表参道原宿」のステンレス万華鏡パネルは、凹凸形状を用いることで光を反射・屈折させることで美しい模様や光景を見せる装飾パネルです。

このように折り工学が生み出す凹凸形状をデザインに用いることで、光の陰影をうまく用いた美しいデザインを提供することが可能になります。

菊川工業株式会社「プロダクト施工事例:東急プラザ表参道原宿」より
https://www.kikukawa.com/product/tokyuplaza-omotesanndo/

持続可能性:アル・バハール・タワーズ

折り紙のパターンや折り方を建築物のデザインに環境負荷軽減に応用することがあります。
アブダビのアル・バハール・タワーズは、アラブ伝統の日除けマシュラビラに折り紙の機構を用いることで、可変性をもたせています。折り工学を用いることで、自然光や風の通り道を最適化
するだけでなく、建築物のエネルギー効率を向上させる効果もあります。

日経クロステック「灼熱のアブダビ、“パラソル”が開くツインタワー」(2013.05.15) より
https://xtech.nikkei.com/kn/article/building/news/20130509/614569/

再利用や移動が可能な緊急時シェルター:テント型シェルター

ハーバード大学の科学者が開発している折り紙型の緊急シェルターです。このテント型シェルターは、平らな状態では小さなスペースに収まりますが、膨らませると壁が展開し、屋根が形成される仕組みです。折り紙の原理を利用しており、再利用や移動が可能な緊急シェルターとして活用されることが期待されています。

WIRED「人間サイズの折り紙で緊急時シェルターを再定義する科学者たち【動画あり】」(2021.09.10)  より

https://wired.jp/membership/2021/09/10/this-human-sized-origami-reimagines-emergency-shelters/

これらは一部の事例であり、折り工学の応用は建築の領域でさまざまな可能性を秘めています。折り紙の美しい形状や構造の原理を建築物に取り入れることで、創造的で機能的な建築デザインを実現することができます。

まとめ

OUTSENSEでは、折り工学を建設の技術に応用した事例として、立体装飾壁面製造サービス「SORIORI」を行っております。店舗等の内壁としての利用や、イベントや展示会、百貨店のディスプレイ等で活用いただける、立体形状のモニュメントやディスプレイを、安く早く提供できる製造サービスです。ぜひ活用をご検討ください。

OUTSENSE「SORIORI」
https://soriori.jp/

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株式会社OUTSENSE(あうとせんす)

株式会社OUTSENSEは、「折り工学」を専門とした設計会社です。折りによるデザイン性のや機能性の付与を通して、新規事業開発や製品課題解決をいたします。

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株式会社OUTSENSEは、「折り工学」を専門とした設計会社です。折りによるデザイン性や機能性の付与を通して、新規事業開発や製品課題解決をいたします。本ブログでは、「折り工学」や研究開発、環境技術について発信しています。

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