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【加工技術紹介9】 初心者でもわかる加工のポイントと最新技術

作成日:2024年8月1日 更新日: –

OUTSENSEによる加工技術紹介の第9回は、切削加工です。

切削工具を用いて材料を削り、所定の形状を作り出す加工方法です。

今回は、切削加工の基本的な種類、使用される材料、手法と注意点、最新技術、設計と品質管理について詳しく解説します。

ス ポ ン サ ー リ ン ク

目次

切削加工とは?基本的な定義と種類

切削加工にはいくつかの主要な種類があります。ここでは3つをご紹介します。

旋盤加工

旋盤を用いて円筒形の部品を加工します。ワーク(加工対象物)を回転させながら工具で切削します。例えば、自動車のシャフトやベアリングのような部品が旋盤加工で作られます。旋盤加工は高精度な円筒形状の部品を作るのに適しています(meviy – MISUMI)

フライス加工

フライス盤を用いて平面や溝を加工します。工具が回転し、ワークを移動させながら切削します。例えば、金型や機械部品の製造で広く用いられます。フライス加工は多様な形状を作るのに適しています​。

穴あけ加工

ドリルを使用して穴を開ける加工方法です。垂直方向に回転しながら進むことで穴を形成します。例えば、ボルトやネジの取り付け穴などがドリル加工で作られます​。

切削加工に使用される材料の種類

切削加工には様々な材料が使用されます。それぞれの特徴を以下にまとめます。

鉄系材料

S45CやSS400などの一般的な鉄鋼材料は、強度が高く、広く使用されます。これらの材料は、例えば、自動車部品や建築構造物に使われます。焼入れなどの表面処理後は硬度が高いため、加工前に行うのが一般的です​ (meviy – MISUMI)​​ (しぶちょー技術研究所 )​。

ステンレス系材料

SUS304などのステンレス鋼は、耐食性が高く、強度もありますが、加工が難しいため工具の寿命が短くなります。食品機械や化学機器の部品によく使用されます​ 。

アルミ

アルミニウムは軽量で加工しやすいですが、強度が劣ることがあります。航空機部品や自動車部品に使用されます。アルミは高い加工性と軽量さが求められる製品に適しています​ 。

樹脂

ABSやポリカーボネートなどの樹脂は、軽量で柔軟性がありますが、精密な形状加工には向きません。例えば、家電製品や玩具に使用されます​ 。

その他の特殊材料

チタンやインコネルなどは非常に硬く、加工が難しいため特殊な技術が必要です。これらの材料は航空宇宙や医療機器などで使用されます。

切削加工に使用される材料の種類

いくつかの重要な手法と注意点を以下にまとめます。

構成刃先の原因と対策

構成刃先とは、工具と材料の摩擦により工具に切り粉が付着する現象です。これを防ぐためには、切削条件(例えば、切削速度、切り込み量、送り速度)や工具の選定が重要です。適切なクーラントの使用も有効です​ (しぶちょー技術研究所)​​ (Wikipedia)​。

切削条件の設定方法

適切な切削速度、切り込み量、送り速度を設定することが、品質向上と工具寿命の延長につながります。例えば、鉄系材料の場合、切削速度を適切に設定しないと、工具の摩耗が早まり、加工精度が低下することがあります​​​ (Mitsuri)​。

工具の選定とメンテナンス

工具の選定は、材料の硬度や加工精度に合わせて行います。例えば、硬い材料を加工する場合は、ダイヤモンド工具やCBN工具が適しています。また、定期的なメンテナンスが工具の寿命を延ばし、加工品質を保つために重要です​ ​。

最新の切削加工技術とその応用例

切削加工技術は日々進化しています。最新の技術とその応用例を以下に紹介します。

高速加工技術

高い回転速度と送り速度で加工時間を短縮し、生産性を向上させる技術です。例えば、自動車産業では生産性向上のために高速加工技術が広く導入されています​ (meviy – MISUMI)​​

精密加工技術

非常に高い精度で部品を加工する技術です。医療機器や精密機械部品で利用されます。例えば、人工関節や高精度な電子部品の製造には精密加工技術が必要です​ 。

特殊材料の加工技術

硬度が高い材料や特殊な形状を持つ材料を加工する技術です。航空宇宙や防衛産業で使用されます。例えば、ジェットエンジンの部品や宇宙船の部品の加工には高度な技術が要求されます​ 。

切削加工品の設計と品質管理

切削加工品の品質を高めるための設計と管理方法を紹介します。

設計のポイント

設計段階で加工性を考慮することが重要です。例えば、隅アール(コーナーの丸み)の設計やバリ対策を行います。隅アールが設計に組み込まれていると、工具の負荷が軽減され、加工がスムーズになります​。

品質管理の方法

寸法測定や表面粗さの検査を行い、品質を確保します。例えば、統計的な品質管理手法を用いることで、製品のばらつきを減らし、安定した品質を保つことができます​。

バリ対策

切削加工後に発生するバリを除去するための方法です。例えば、バリ取り機や手作業での処理が一般的です。バリがあると製品の品質に悪影響を及ぼすため、適切な対策が必要です​。

まとめ:切削加工の未来と展望

切削加工は今後も進化を続け、新しい技術が開発されるでしょう。例えば、AIやIoTを活用したスマートファクトリーの導入により、生産効率が飛躍的に向上する可能性があります。また、持続可能な生産方法や新材料の加工技術が注目されます。未来の切削加工技術は、環境負荷を低減しながら、高精度かつ高効率な加工を実現することが期待されています。

大田区には、ご紹介したような技術を持っている工場が多数あります。

OUTSENSEもこの土地で、折り工学の技術を磨いてまいります。

何かあれば是非弊社にご相談ください。

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こ の 記 事 を 書 い た 人

株式会社OUTSENSE(あうとせんす)

株式会社OUTSENSEは、「折り工学」を専門とした設計会社です。折りによるデザイン性のや機能性の付与を通して、新規事業開発や製品課題解決をいたします。

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(あうとせんす)

株式会社OUTSENSEは、「折り工学」を専門とした設計会社です。折りによるデザイン性や機能性の付与を通して、新規事業開発や製品課題解決をいたします。本ブログでは、「折り工学」や研究開発、環境技術について発信しています。

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高い回転速度と送り速度で加工時間を短縮し、生産性を向上させる技術です。例えば、自動車産業では生産性向上のために高速加工技術が広く導入されています​ (meviy – MISUMI)​​
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