2023.01.30

農林水産業とそれを支える技術、SDGsとの関係とは?必要な取り組みについて詳しく解説します!

農林水産業×環境技術×SDGsとは

農林水産業×環境技術×SDGs

Sustainable Development Goals – 持続可能な開発目標 – とは、世界が抱える問題を解決し、持続可能な社会をつくるために世界各国が合意した17の目標と169のターゲットです。

17の目標を階層化したとき、自然資本や環境は他の目標の土台となります。私たちの社会を成り立たせる自然資本や環境を持続可能なものとしなければ、目標の達成は望めません。

特に農林水産業は、自然資本や環境に大きく依存した業界であり、業界を持続的に発展させるためには、自然資本や環境を維持・向上し続ける必要があります。

これからの農林水産業は、経済的な成長と同時に環境や自然資本の管理・増大を目指していくことが重要になります。

 

引用:農林水産省,農林水産業×環境・技術×SDGsパンフレット

持続可能な開発目標 17の目標

SDGsの17の目標には以下のようなものがあります。

 ・貧困をなくそう

あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる

・飢餓をゼロに

飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する。

・すべての人に健康と福祉を

あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する。

・質の高い教育をみんなに

すべての人に包摂的かつ公正な質の高い教育を確保し、生涯学習の機会を促進する。

・ジェンダー平等を実現しよう

ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児の能力強化を行う。

・安全な水とトイレを世界中に

すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する。

・エネルギーをみんなに そしてクリーンに

すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する。

・働きがいも 経済成長も

包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の 完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する。

・産業と技術革新の基盤をつくろう

強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ 持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る。

・人や国の不平等をなくそう

各国内及び各国間の不平等を是正する。

・住み続けられるまちづくりを

包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する。

・つくる責任 つかう責任

持続可能な生産消費形態を確保する 。

・気候変動に 具体的な対策を

気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる。

・海の豊かさを 守ろう

持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する。

・ 陸の豊かさも 守ろう

陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する。

・平和と公正を すべての人に

持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する。

・パートナーシップで目標を達成しよう

持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する。

 

引用:外務省,持続可能な開発のための2030アジェンダ

再生可能エネルギーに関する取り組みの普及

再生可能エネルギーは、地球環境に対して負荷の少ない自然界のエネルギーであり、2050年における温室効果ガス排出80%削減を目標とする「パリ協定」の実現に向けて重要な役割を担っています。

 再生可能エネルギーを安く安定的に提供できる地域は企業にとっても魅力的であることから、これらの事業者と地方自治体や地域住民が連携し、地域と共生していくことが重要となります。その中でも、地域の資源の供給元となる農林漁業関係者には、より密接な連携が必要とされています。

 例えば、農業と太陽光発電の組み合わせた営農型太陽光発電では、作物の販売収入に加え売電による継続的な収入や発電電力の自家利用等による農業経営の更なる改善が期待されています。また、自治体とバイオマス産業が連携し、農林水産業で生じたもみ殻などを燃料や肥料として活用する取り組みも進められています。

 

引用:農林水産省,農林水産業×環境・技術×SDGsパンフレット

生物多様性の保全

農林水産業は、自然資本を利用して、食料や木材などの多面的な恵みを生み出す産業であり、持続的な農林水産業の実現には、生物多様性を含めた自然資本の保全が必要不可欠となります。

 自然資本とは、”自然の恵み“を資本としてとらえたものであり、将来にわたって自然資本を持続的に利用して農林水産業を営むためには、その恩恵を受ける全ての人々が自然資本やそこから生み出されるさまざまな生態系サービスの社会・経済的な価値を認め、その恩恵の対価を支払う社会の実現が必要になります。

 例えば、在来作物の維持と農作物の生産効率を両立するために、焼き畑と苗植えの場所を変えながら行うことで、循環した生産システムの実現が目指されています。

 

引用:農林水産省,農林水産業×環境・技術×SDGsパンフレット

企業や大学・研究機関との協力の必要性

SDGsによって、社会・環境に配慮した資材など、調達のルールが変わりつつあり、通常の企業活動においても一般的となってきています。

 産学官連携の取組を推進する際には、行政としても、こうした企業環境の変化を的確に捉え、SDGsに積極的に貢献している農業経営者、企業、研究機関等を応援する姿勢を打ち出すことが重要となります。また、社会課題の解決・ゴールに向かっていくためには、関係者が議論し、参加者も相互に学ぶ場の提供が必要となります。

 例えば、森林の活用において、森林研究・整備機構森林総合研究所を中心として複数の大学及び民間企業が参画するコンソーシアムが設立されました。また、伝統木工技術を活かした大学発ベンチャーの創出なども行われはじめています。


引用:農林水産省,農林水産業×環境・技術×SDGsパンフレット

生産者と消費者に求められる事柄

農林水産省が提示している施策には、有機農業の推進、生物多様性の保全活動、再生可能エネルギーの推進等、生産者だけではなく、消費者の理解も得ながら共に進める必要があるものがあります。

 例えば、有機農業の推進にあたっては、消費者の方に環境に配慮した農法で生産されていることや生物多様性の維持・増進などの付加価値を消費者に伝わるようにメッセージを添える取り組みが行われています。

 

引用:農林水産省,農林水産業×環境・技術×SDGsパンフレット

ESG課題に配慮した取り組みが求められています

 ESG課題【環境(Environment)・社会(Social)、ガバナンス(Governance)】に配慮した事業を行うことは、社会の新たなニーズに対応するための重要な取り組みとなってきています。

 ESG課題に取り組むことが、将来を見据えた企業発展の軸となり、企業のリスク回避のにも重要になってきています。


引用:農林水産省,農林水産業×環境・技術×SDGsパンフレット

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